AI企業クオンタム、ビットコイン取得へ|1年で3000BTCが目標

東証上場のAI企業クオンタムソリューションズは、円安などを背景に最大3000BTCを取得する計画を発表。企業の財務基盤強化を目指す。

井上 雪芽 By 井上 雪芽 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
AI企業クオンタム、ビットコイン取得へ|1年で3000BTCが目標

Key Notes

  • 東証上場のクオンタムソリューションズ株式会社が最大3000BTCの取得計画を明らかにした.
  • 背景には、円安の進行やインフレといった日本のマクロ経済不安がある.
  • 計画が実現すれば、同社は日本の上場企業で最大のビットコイン保有者になる可能性がある.

東京証券取引所上場のAI企業クオンタムソリューションズは25日、今後12ヶ月で最大3000 BTCを取得する計画を明らかにした

この計画は香港子会社GPT Pals Studio Limitedが管理し、初期投資額は1000万ドルに上る。運用は資産運用会社インテグレーテッド・アセット・マネジメントが支援する。

取得総額は約3億5000万〜3億5600万ドルにのぼる見込みで、計画が完了すれば、同社は日本の上場企業で最大の暗号資産(仮想通貨)保有者となる可能性がある。ビットコイン(BTC)を長期的な準備資産とし、財務強化を狙う。

円安と金融不安が背景に

今回の決定の主な要因は、日本のマクロ経済の不安定さにある。長期化する円安や主要セクターにおけるインフレの進行が、企業経営に圧力をかけている。

特に債券市場の変動は、こうした状況をさらに悪化させた。2025年7月24日には、日本の40年物国債の利回りが過去最高の3.375%に達し、応札倍率は14年ぶりの低水準を記録した。

クオンタムソリューションズは、進行する円安と国際金融の不確実性増大に対するヘッジとして仮想通貨が有効だと説明しており、これは日本企業全体の幅広い潮流とも一致する。

また、この取り組みでは香港の子会社を活用することで、規制上の柔軟性を確保している。これにより、市場の状況や資本の利用可能性に応じて、段階的な購入が可能となる。

市場の反応と競合の動向

クオンタムソリューションズの時価総額は232億5000万円であり、今回のビットコイン取得計画の規模は、同社がいかにこの動きを戦略的に重視しているかを示している。一方で、発表当日の同社株価は日中の取引で9.19%下落し、市場参加者の慎重な姿勢がうかがえる。

日本国内の企業によるビットコイン保有競争では、現在メタプラネットが1万6352 BTCで首位に立っている。

その他、エネルギー事業を手掛けるリミックスポイントが1051 BTCを保有し、アパレル企業ANAPホールディングスや小売チェーンマックハウスは1000 BTCの取得を目標に掲げるなど、主要なライバルが存在する。

今回の計画を支援するインテグレーテッド・アセット・マネジメントは、2014年にフォーブス・メディアを買収した実績で知られる企業だ。このような著名な資産運用会社の関与は、ビットコインが企業資産として機関投資家からの評価を高めていることを物語っている。

また、米国でビットコインETFが承認されたことも、機関投資家の参入を後押しする要因となっている。

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井上 雪芽

Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。

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