ビットコイン（BTC）の買い方手順｜特徴や注意点まで一挙解説

ビットコイン（BTC）は、2009年に誕生した世界初の暗号資産（仮想通貨）で、2024年には史上初めて10万ドルの大台を突破するなど、大きな注目を集めています。

従来の金融システムとは全く異なるその仕組みは、最初は複雑に感じられるかもしれません。しかし、その特徴や将来性を理解すれば、誰でも安全に投資を始めることができます。

本記事では、ビットコインをこれから始めたい初心者の方に向けて、その基本的な情報から特徴、投資の価値、そして購入する際の注意点まで、分かりやすく、そして詳しく解説します。

ビットコイン（BTC）とは？

ビットコインは、2009年1月にサトシ・ナカモトという匿名の人物（もしくはグループ）によってリリースされた、世界で初めての分散型デジタル通貨です。

その根幹には「中央管理者を持たない」という革新的な設計思想があり、政府・銀行・企業といった特定の組織に依存せず、世界中の参加者が平等にネットワークを維持・運営します。

ビットコインの取引記録は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳に時系列で記録されます。これらのデータは数千〜数万台のノード（コンピュータ）に同時に保存され、全員が同じ履歴を持つため、過去の取引を改ざんすることは極めて困難です。

• 分散型ネットワーク：特定の国や企業がコントロールできないため、政治的干渉や検閲の影響を受けにくい。
• 改ざん耐性：過去の取引を書き換えるには膨大な計算力と資金が必要で、現実的に不可能に近い。
• 国境を越えた利用：インターネット環境さえあれば、銀行口座を持たない人でも自由に送受金が可能。

ビットコインは、2008年の世界金融危機の直後に構想が発表されました。銀行破綻や大規模な金融救済策を目の当たりにし、既存の金融システムに不信感を抱いた人々の間で「国家や銀行に頼らない新しい通貨」の必要性が高まっていました。

サトシ・ナカモトは、その解決策として暗号技術＋分散型台帳を組み合わせたビットコインを発表し、翌年に最初のブロック「ジェネシスブロック」を生成。

ビットコインは単なる新しい通貨ではなく、インターネット上で信頼を必要としない価値交換を可能にした初のシステムです。この分散型モデルは、その後に続くイーサリアムなどのブロックチェーンプロジェクトの礎となり、DeFi・NFT・Web3といった新しい経済圏の土台を築きました。

ビットコイン（BTC）の特徴5つを紹介

ビットコインがこれほどまでに世界中で注目され、多くの投資家や企業に受け入れられているのには、他の通貨や資産にはない独自の強みがあるからです。ここでは、ビットコインの主な特徴を3つ、さらに詳しく解説します。

①：非中央集権的なシステムとその仕組み

ビットコインの最大の特徴のひとつは、「非中央集権的（Decentralized）」な設計です。これは、特定の国、企業、団体が通貨の発行や取引を管理するのではなく、世界中の参加者によって自律的に維持される仕組みを指します。

従来の銀行送金は、中央銀行や民間銀行が取引を承認し、仲介することが前提でした。しかしビットコインでは、P2P（ピア・ツー・ピア）ネットワークを通じて個人同士が直接取引でき、第三者の承認を必要としません。

さらに、ビットコインの取引記録はブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳に時系列で保存され、世界中の全ノードに共有されます。

過去の取引を改ざんするには、ネットワーク全体の過半数以上の計算力（ハッシュパワー）を同時に掌握する必要があり、現実的には不可能に近いです。この透明性と耐改ざん性は、既存の金融システムでは実現が難しいレベルの信頼性を生み出しています。

②：高い希少性と「デジタルゴールド」としての価値

ビットコインの価値を支える重要な要素が、その発行上限による希少性です。ビットコインの総発行枚数は2,100万BTCに固定されており、これはプロトコル（ビットコインの基本ルール）によって厳格に定められています。

法定通貨のように中央銀行が無制限に増刷することはできず、この固定供給量は「デジタルゴールド」と呼ばれる所以でもあります。

既に約1,950万BTC以上が採掘済みであり、その多くが市場に出回っています。さらに、秘密鍵を紛失したウォレットや、長期間動きのないアドレスも多数存在し、実際に流通可能なBTCは理論上の供給量よりも少ないと推測されています。

また、ビットコインは4年ごとに訪れる「ビットコイン半減期」によって、新規発行量が半分になります。これにより、インフレ通貨とは逆に時間の経過とともに供給ペースが減速し、希少性が高まります。

例えば2012年、2016年、2020年の半減期を経るたびに価格は長期的な上昇傾向を見せており、このパターンは多くの投資家に注目されています。

③：国境を越えた迅速かつ低コストな送金

国際送金における利便性の高さも、ビットコインの大きな魅力です。従来の国際送金では、SWIFTネットワークや仲介銀行を複数経由するため、着金まで数日〜1週間かかることが珍しくありません。

また、為替手数料や送金手数料が高額になるケースも多く、特に小額送金や新興国への送金では割高感がありました。

ビットコインを使えば、こうした仲介者を介さず、直接相手のウォレットに送金できます。処理時間は平均10分前後（1ブロック生成時間）で、状況によっては数分で完了します。

手数料も比較的低く、ネットワークが混雑していない時期であれば数十円〜数百円程度で済むこともあります。

さらに、金融インフラが整っていない地域でも、スマートフォンとインターネット環境さえあればビットコインや草コインを受け取ることが可能です。

世界銀行のデータによると、世界人口の約17億人が銀行口座を持たない「アンバンクト層」に属しますが、ビットコインはこうした人々に新しい金融アクセス手段を提供します。

④：プログラムによる透明なルールと予測可能性

ビットコインのもう一つの大きな特徴は、その運営ルールがコードで明確に定義され、誰でも確認できる透明性です。

中央銀行のように政策金利や通貨供給量を恣意的に変えることはできず、発行スケジュールや取引承認プロセスはすべてオープンソースのコードに記載されています。

このため、ビットコインやプレセール仮想通貨は政治的圧力や一部の権力者の判断に左右されることなく、予測可能な金融政策を実現しています。投資家は供給量の増減やインフレ率を事前に把握でき、長期的な資産計画を立てやすくなります。

また、この透明性は市場全体の信頼性を高め、取引の監査や分析も容易にします。誰でもブロックチェーンを閲覧し、任意の取引やウォレット残高を追跡可能であるため、不正や改ざんは即座に発覚します。

⑤：世界規模のネットワーク効果と成長するエコシステム

新しい仮想通貨はビットコインは2009年の誕生以来、世界中で利用者と関連サービスが急速に拡大し、「ネットワーク効果」を生み出しています。

ネットワーク効果とは、参加者が増えるほどその価値や利便性が高まる現象です。ビットコインの場合、取引所、ウォレット、決済サービス、金融商品などのインフラが拡大することで、より多くの人や企業が利用しやすくなっています。

現在では、米国の上場企業や決済大手（PayPal、Squareなど）がビットコインに対応し、エルサルバドルのように法定通貨として採用する国も登場しました。これらの動きはさらに1000倍系仮想通貨の利用者を増やし、価値を高める正のスパイラルを形成しています。

また、ビットコインは単独で完結する資産ではなく、DeFi（分散型金融）やLightning Network、ステーブルコイン決済など、新しい技術やサービスとの連携によって、用途が拡大しています。

この成長は一国や一企業では止められない規模に達しており、今後もインターネット同様に世界経済の基盤の一部となる可能性が高いです。

ビットコイン（BTC）は購入に値するのか？

ビットコインやICO仮想通貨への投資には確かに価格変動や規制リスクといった注意点があります。

しかし、これまでの発展スピードや世界的な需要拡大、制度の整備状況を踏まえると、長期的には大きなポテンシャルを秘めており、戦略的な資産形成の一部として購入する価値は十分にあります。

ビットコインETFによる機関投資家の本格的な参入

ビットコインは、誕生から10年以上の歳月を経て、もはや一部の技術マニアだけが扱う資産ではなくなりました。世界の金融市場におけるその立ち位置は、急速に変化し、成熟しつつあります。

ビットコインETF（上場投資信託）は、ビットコインの歴史における大きな転換点となりました。これにより、ヘッジファンドや年金基金、大手資産運用会社といった機関投資家が、従来の金融商品と同じように、より手軽にビットコインに投資できるようになったのです。

この結果、膨大な資金がビットコイン市場に流入し、価格の安定とさらなる上昇を後押ししています。この流れは、ビットコインが「投機の対象」から「信頼できる投資資産」へと見方を変えられつつあることを明確に示しています。

リスク分散の手段：伝統的な資産との相関性の低さ

ビットコインの価格変動は、株式や債券といった従来の金融資産とは異なる要因に影響されることが多いため、相関性が低いとされています。

例えば、株式市場が下落している局面でも、ビットコインが独自の動きをすることがあります。ポートフォリオにビットコインを組み入れることで、特定の市場が暴落した際でも、資産全体の下落幅を抑える効果が期待できます。

ビットコインは発行上限が2,100万BTCと厳格に定められています。これは、無制限に発行されることで価値が希薄化するリスクのある法定通貨とは対照的。

インフレが進行し、法定通貨の購買力が低下する局面において、発行量が限られているビットコインは、価値の保存手段（インフレヘッジ）として機能する側面を持っています。この特性から、ビットコインはしばしば「デジタルゴールド」と呼ばれます。

少額から始められる手軽さ

ビットコインは1BTCあたり非常に高額なため、一見するとハードルが高く感じるかもしれません。しかし、現在の仮想通貨投資環境では、誰でも無理なく始められる仕組みが整っています。

多くの仮想通貨取引所では、1BTC全てを購入する必要はありません。「円」単位で金額を指定して購入できるため、数百円、数千円といった少額からでもビットコイン投資を始めることができます。これにより、いきなり大きなリスクを負うことなく、少しずつ暗号資産に慣れていくことが可能。

一括で投資するのではなく、毎月決まった日に決まった金額だけを自動で積み立てていく「ドルコスト平均法」は、ビットコイン投資において非常に有効な戦略です。

価格が高い時には少なく、価格が安い時には多く購入することになり、結果的に平均購入単価を平準化でき、ボラティリティの高いビットコインでもリスクを抑えた長期投資が可能になります。

ビットコイン（BTC）を購入する際の注意点

ビットコインやビットコイン関連株への投資は魅力的ですが、従来の投資とは異なるリスクと注意点があります。安全に投資するために、必ず以下の3つの点を十分に理解し、適切な対策を講じることが重要です。

①：厳重なセキュリティ対策の徹底

ビットコインは一度取引が確定すると取り消しができないため、セキュリティ対策が極めて重要です。自己資産を守るための意識を常に持ちましょう。

• 秘密鍵・リカバリーフレーズの厳重な管理：ウォレットの「秘密鍵」や「リカバリーフレーズ」は、あなたの資産にアクセスするための唯一の鍵です。絶対に紙に記録し、オンライン上に保存したり、スクリーンショットを撮ったりしないでください。
• 二段階認証（2FA）の設定：取引所やウォレットへのログイン、送金時には必ず二段階認証を設定し、セキュリティを強化しましょう。
• フィッシング詐欺に注意：公式サイトを装った偽サイトや、SNSなどで甘い言葉で誘う投資詐欺が横行しています。URLをよく確認し、非現実的な高利回りを謳う話には絶対に耳を貸さないようにしましょう。

②：価格変動リスクへの適切な対処

ビットコインは、他の投資資産と比べて価格変動が非常に激しいことが特徴です。このリスクを理解し、冷静に対処することが成功の鍵となります。

• ハイリスク・ハイリターン：短期間で数十％の価格変動が起こることは珍しくなく、過去には80％以上の大暴落を何度も経験しています。投資した金額以上の損失が出る可能性も常に考慮に入れておきましょう。
• 余裕資金での投資：投資は、「失っても生活に困らない」範囲の余剰資金で行うという鉄則を守ってください。
• 長期的な視点を持つ：短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが大切です。一度に全資金を投入するのではなく、時間を分散して少しずつ購入するドルコスト平均法などの手法を取り入れることで、リスクを軽減できます。

③：税金と法律知識の事前確認

ビットコイン取引で利益が出た場合、日本では仮想通貨税金がかかります。税制を理解せずに投資を始めると、後になって思わぬ税負担に直面する可能性があるため、事前に確認しておきましょう。

• 利益は「雑所得」として課税：ビットコインの利益は、原則として「雑所得」として総合課税の対象となります。給与所得など他の所得と合算して税率が計算されるため、所得が増えるほど税率も高くなる累進課税制度が適用されます。
• 確定申告の義務：おすすめ仮想通貨の利益が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
• 正確な取引記録の管理：納税に備え、いつ、どのくらいの価格でビットコインを購入・売却したかという取引履歴を正確に記録しておくことが必須。専用の税金計算ツールを利用するか、税理士に相談することも検討しましょう。

まとめ

ビットコイン（BTC）は、希少性・分散性・改ざん耐性という3つの強みを兼ね備えた、世界初かつ最大規模の仮想通貨です。発行上限が2,100万枚に固定され、供給ペースが4年ごとの半減期によって減少していく設計は、インフレに強い価値保存手段としての役割を持ちます。

一方で、アルトコインの価格変動の大きさや自己保管の重要性、そして税制や規制の理解は欠かせません。短期の値動きに翻弄されず、長期・分散・積立といった戦略を取ることで、精神的な負担を軽減しつつリスクを管理できます。投資額は生活資金とは切り離し、余剰資金の範囲で計画的に取り組むことが肝心です。

結論として、ビットコインは長期的な資産形成やポートフォリオの分散先として十分に検討に値する存在です。ただし、購入に踏み切る前に、保有ルール・セキュリティ体制・税務対応の3点を固めることが、安心して保有し続けるための前提条件となるため、ぜひ本記事の内容を参考に投資を始めてみて下さい。

ビットコインの買い方に関してよくある質問

朝國圭介

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暗号資産（仮想通貨）ライター。2020年からビットコインを購入し、NFT、DeFi、Web3ゲームなど多岐にわたる分野に興味があり、自身の経験をブログでも発信。