
暗号資産業界で5年以上の取材・執筆経験を持つフリーランスライター。ブロックチェーン技術の仕組みから最新のDeFiプロジェクト、NFT市場の動向まで幅広くカバー。複雑な技術概念を分かりやすく解説することを得意とし、初心者から上級者まで読者のレベルに合わせた記事執筆を行う。
オンライン証券のロビンフッドは8日、同社が欧州連合(EU)で開始したトークン化株式プラットフォームについて、その詳細と市場の反応を報告した。
このプラットフォームは6月30日にローンチされ、イーサリアム(ETH)のレイヤー2ネットワークであるアービトラム上で稼働する。これにより、EUの利用者は米国の公開株式に連動するトークンを取引できるようになった。
同社はイーサリアムやソラナ(SOL)のステーキング、無期限先物取引など、暗号資産(仮想通貨)関連のサービスを拡大しており、今回の動きもその一環だ。プラットフォームは、24時間週5日の取引と高額な株式の分数所有を一般化することを目指している。
このプラットフォームが注目を集める一因は、OpenAIやSpaceXといった非公開企業の株式も対象に含んだ点にある。しかし、OpenAIは即座にこれを否定し、株式譲渡に関するいかなる承認も行っていないと発表した。
これに対し、ロビンフッドのウラジミール・テネフCEOは、この取り組みの正当性を主張している。
公開株式のトークンは直接的な所有権を反映するが、非公開株式は特別目的事業体(SPV)を介する仕組みだとされる。
しかし、その具体的なメカニズムは依然として不透明な部分が多い。OpenAIは株式譲渡には厳格な承認が必要だと強調しており、ロビンフッドが採用するSPV構造の実現性に疑問を投げかけている。
こうした状況を受け、特にOpenAIのような企業との正式な提携がない点について、EUの規制当局は監視を強めている。
世界的に規制が断片化していることも、プラットフォーム展開の複雑さを増す要因となっている。
一方で、トークン化された現実世界資産(RWA)の市場は急速に拡大している。2025年上半期には前年比260%増の230億ドル(約3兆3,810億円)規模に達した。規制の明確化や機関投資家の参入が、この成長を後押ししている。
非公開企業にとって、株式のトークン化は新規株式公開(IPO)を経ずに資金を調達する戦略的な手段となりうる。ブロックチェーン技術の効率性を活用できる可能性があるからだ。
ロビンフッドは、国境を越えた取引の障壁を取り払い、分数所有を提供することで、伝統的な金融市場に変革をもたらすことを狙っている。
プラットフォームの発表後、アービトラムのネイティブトークンであるアービトラム(ARB)の価格は9%上昇した。これは、ブロックチェーン基盤の株式商品に対する市場の信頼感を示すものだ。
同社は現在、非公開株式トークンを試験段階と位置づけているが、将来的にはアービトラムを基盤とした専用のL2ブロックチェーンの立ち上げも計画している。
このサービスは現在、EUおよび欧州経済領域(EEA)の顧客に限定されている。しかしロビンフッドは、各国の規制当局の承認を条件に、世界的な展開を視野に入れている。
Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。
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