マスターカード、仮想通貨を破壊者ではなく決済技術と位置付け

マスターカードの欧州暗号資産責任者が、仮想通貨を既存の金融システムを補完する「決済技術」と位置づけ。安全性を重視で統合へ。

赤松 柊弥 By 赤松 柊弥 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
マスターカード、仮想通貨を破壊者ではなく決済技術と位置付け

Key Notes

  • マスターカードは仮想通貨を既存金融システムを補完する「決済技術」と捉え、システムの再発明は目指さない.
  • ステーブルコインの取引高はマスターカードを上回るが、不正防止やコンプライアンスで優位性を持つと分析.
  • メタマスクと提携で即時決済を実現、将来的には独自のブロックチェーン構築も視野に入れている.

決済大手マスターカード欧州暗号資産(仮想通貨)のクリスチャン・ラウ部門責任者は2日、The Big Whaleとのインタビューで同社のデジタル資産戦略を明かした。

同氏は仮想通貨を既存金融システムを破壊する革命的技術ではなく、現在のインフラに統合できる決済技術と位置付けている。

「われわれの戦略は50年間変わらない。安全で法令順守した方法で、人々の支払いと企業の受け取りを可能にすることだ」と述べた。

既存決済網への統合アプローチを推進

マスターカードは既にメタマスク、Bitget、MoonPayなどとの提携を通じてオンチェーンおよびオフチェーンの新しい仮想通貨のサービスを展開している。

これらの連携により、決済時のデジタル資産から法定通貨への即座変換が可能となり、加盟店は価格変動リスクを回避しながら自国通貨で支払いを受け取ることができる。

非管理型ウォレットとの統合では技術的課題に直面したが、スマートコントラクトがリアルタイムで資金利用可能性を検証するアーキテクチャを構築したと説明している。

同社は現在、毎秒約5000件の取引を処理しているが、不正対策、法令順守、紛争解決を含む包括的なエコシステムがネットワークに価値を与えるとしている。

この点で、従来の決済システムがブロックチェーンのネットワークに対して優位性を保持していると主張している。

ステーブルコインを競合ではなく補完技術と捉える

2024年のステーブルコイン取引量は276000億ドルに達し、ビザとマスターカードの合計取引量を76%上回った。

しかしラウ氏はステーブルコインを直接的な競合とは考えていない。

ステーブルコインは決済技術として位置付けている。

国境を越えた決済の改善や為替リスクの低減が可能だが、紛争時の保護など当社が提供するサービスに代替することはできないとラウ氏は分析している。

マスターカードはCircleとの提携により、東欧・中東・アフリカ地域でUSDCとEURCの決済サポートを拡大している。

この協業により、同地域の決済代行業者は初めてステーブルコインでの取引決済が可能となった。

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赤松 柊弥

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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