米アセット・エンティティーズ、合併承認でBTC財務企業へ転換

アセット・エンティティーズとストライブ・エンタープライズが合併を承認。新会社はBTCを財務資産として保有する戦略を追求する。

宇城 良 By 宇城 良 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
米アセット・エンティティーズ、合併承認でBTC財務企業へ転換

Key Notes

  • アセット・エンティティーズとストライブ・エンタープライズが合併を承認し、ビットコインを財務資産とする新会社Strive Inc.が誕生する.
  • 私募増資などで最大15億ドルを調達し、ビットコイン取得に充てる計画である.
  • 企業のビットコイン保有競争が激化する中、新会社は無負債と積極的な運用戦略を強みに市場参入を目指す.

マーケティング会社のアセット・エンティティーズ(ASST)は9日、ストライブ・エンタープライズとの合併が株主によって承認されたことを明らかにした

この決定は、ストライブの株主が4日にこの取引を承認したことを受けたもので、公開市場で取引されるビットコイン(BTC)財務企業の設立に向けた大きな一歩となる。

ビットコイン財務企業への転換

公式発表によると、合併完了後、統合会社はStrive Inc.に社名を変更するが、ナスダックでのティッカーシンボルASSTは維持する。

この取引は、アセット・エンティティーズを現在の事業から専門のビットコイン財務企業へと転換させる逆さ合併の形態をとっている。

新会社のCEO兼取締役会会長にはマット・コール氏が就任する。

一方、アセット・エンティティーズのアーシア・サーカニ現社長兼CEOは、CMO兼取締役へと役職が変わる。

なお、ストライブ・エンタープライズは元大統領候補のヴィヴェック・ラマスワミ氏が共同設立した企業だが、今回の発表ではラマスワミ氏の今後の役職については具体的に言及されていない。

15億ドルの資金調達と市場の反応

この合併は、いくつかの競争上の優位性を持つ戦略的な位置づけがなされている。

経営陣は無負債であることが、ビットコイン財務分野の競合他社に対して有利な立場を築くと述べている。

取引には7億5000万ドルの私募増資が含まれ、新株予約権の行使によりさらに7億5000万ドルが加わる可能性がある。

ビットコイン取得のために最大15億ドルの資金を確保できる見込みだ。

この大規模な資金注入は市場心理に大きな影響を与え、発表後の時間外取引で株価は6.28ドルから9.55ドルへと52%急騰した。

経営陣は、この逆さ合併の仕組みと潤沢な資本、そして無負債という状況が戦略を実行し、1株あたりのビットコイン保有量を最大化する上で、同業他社に対して独自の立場を提供すると強調している。

しかし、アナリストからは私募増資や新株予約権行使による大幅な株式の希薄化を潜在的なマイナス要因として指摘する声も上がっている。

合併の最終的な完了は、ナスダック証券取引所による上場申請の承認が条件となっており、これが規制上の重要なハードルとなる。

激化する企業ビットコイン保有競争

今回の合併発表は、企業の暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン採用が加速する中で行われた。

現在、公開企業が保有するビットコインの総量は約100万BTCに達し、これは現在流通している供給量の5.1%に相当する。

この競争環境において、マイケル・セイラー氏の会社が63万8460BTCを保有し市場を支配しており、MARAホールディングとXXIがトップ3を形成している。

ビットコインを財務資産として保有する企業セクターは2025年に大きく成長し、年初には100社未満だった大規模保有を報告する公開企業が、現在では186社に増加した。

この急拡大は市場の飽和に対する懸念も生んでいる。

アセット・エンティティーズがマーケティングサービスからビットコイン財務管理へと事業を大きく転換するのは、逆さ合併の仕組みが可能にした戦略的変革だ。

同社は長期的にビットコイン自体を上回るパフォーマンスを発揮し、永続的な株主価値を創造するための、規律ある長期保有戦略に焦点を当てていると強調している。

これは、他の多くのビットコイン財務企業が採用する受動的な保有戦略とは一線を画す、積極的な姿勢だ。

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宇城 良

仮想通貨ライター。取引歴5年、ブロックチェーン技術の解説から市場分析、DeFi・NFTの最新動向までカバーします。複雑なトピックを分かりやすく解説し、皆様の的確な意思決定をサポートします。

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