イーサリアムとビットコインの違いとは？特徴・将来性を比較

イーサリアムとビットコインの違いを理解せずに投資を始めると、「なぜ価格や時価総額がこれほど違うのか」「どちらを選ぶべきか」といった疑問や不安を抱くことになります。

たとえば2024年5月時点で、ビットコインは約1530万円・時価総額約303兆円と圧倒的。一方イーサリアムは約37万円・約45兆円と大きな差があります。

さらに、ビットコインは発行上限が2100万枚と明確なのに対し、イーサリアムには上限がなく、目的や技術も異なります。

本記事では、以下の内容を解説。

• イーサリアムとビットコインの違い
• ビットコインとイーサリアムを買うならどっちか
• BTCとETHを両方購入・管理する最適な方法

仮想通貨で後悔しないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

イーサリアムとビットコインの基本的な違い

仮想通貨のおすすめ銘柄であるビットコイン（BTC）とイーサリアム（ETH）は、その開発目的、設計思想、機能において明確な違いを持っています。

開発目的の違い

BTCとETHの違いとして初めに挙げられるのは、開発目的です。

ビットコインは2009年にサトシナカモトという正体不明の開発者によって開発。中央銀行や政府を介さず、ユーザー同士が直接やり取りできる「P2P電子決済システム」を目指して誕生しました。

ビットコインの主な特徴は以下の通りです。

• 中央機関に依存しない取引
• 低コストかつ高速な国際送金
• エルサルバドルで法定通貨として採用

一方、イーサリアムは、ヴィタリック・ブテリンによって2015年に開発した仮想通貨。単なる通貨ではなく、分散型アプリケーション（DApps）を構築できるプラットフォームを提供することが目的です。

イーサリアムは以下の特徴を備えています。

• スマートコントラクトによる自動実行が可能
• DeFi、NFT、ブロックチェーンゲームなど多用途に対応

つまり、ビットコインが「価値の保存」や「決済」に特化しているのに対し、イーサリアムは「開発基盤」としての汎用性を追求している点が大きな違いです。

設計思想の違い

ビットコインとイーサリアムは、設計思想において明確な違いを持ち、それぞれ独自の特徴を備えています。

ビットコインは「デジタルゴールド」としての役割を追求し、価値の保存とインフレ耐性を重視した設計が特徴です。この思想は、有限な供給量と堅牢なセキュリティに反映されています。

• 発行上限：2,100万枚に制限され、約4年ごとに新規発行量が半減する「ビットコイン半減期」を採用。これにより希少性が保たれ、長期的な価値向上が期待される。
• コンセンサス：PoW（Proof of Work）を採用。膨大な計算によるビットコインマイニングで高いセキュリティを実現する一方で、電力消費が多く処理速度が遅い課題がある。最近ではクラウドマイニングなども注目。

イーサリアムは、スマートコントラクトや分散型アプリケーション（DApps）の基盤として、汎用性と拡張性を重視しています。柔軟なエコシステム構築を目指し、技術革新を積極的に取り入れています。

• 発行量：上限は設定されていないが、取引手数料の一部を「バーン（焼却）」することで流通量を調整し、デフレ圧力を生み出す。
• コンセンサス：PoWからPoS（Proof of Stake）への移行を進行中。電力消費を減らし高速処理を実現するが、ETH保有量の多いユーザーが有利になり中央集権化のリスクも。

ビットコインは希少性とセキュリティを軸にした「価値の保存」を目指す一方、イーサリアムは効率性と柔軟性を優先し、ブロックチェーン技術の多様な応用を支えるプラットフォームとしての役割を果たしています。

発行上限と供給量の違い

ビットコインとイーサリアムは、その発行上限と供給量において決定的な違いがあります。

ビットコインは発行上限2,100万枚と約4年ごとの半減期で新規発行が減り、希少性とインフレ耐性を持つ「デジタルゴールド」として価値を保っています。

一方、イーサリアムは固定上限はなく、2021年のロンドンアップグレード以降、取引手数料の一部を焼却する仕組みで供給量を調整。利用が増えるほど供給が減り、デフレ的な性質も持つため、成長に応じて価値が変動します。

処理速度の違い

ビットコインとイーサリアムは、ブロックチェーン上での取引処理速度にも大きな違いがあります。

ビットコインの処理速度は、以下の理由から限界があるとされています。

• 約10分ごとにブロック生成
• 高いセキュリティと分散性を重視
• PoWによる膨大な計算能力が必要で処理速度は遅め

対照的に、イーサリアムは次の特徴から高速処理を実現しています。

• 約15秒ごとにブロック生成
• DAppsやスマートコントラクトに適した高速処理
• 2022年9月にPoWからPoSに移行し、エネルギー効率とスケーラビリティが向上

イーサリアムは処理速度と効率性の面で進化を続けており、将来的にビットコインを超える可能性も議論されています。よって、ビットコインとイーサリアムの違いを理解することは投資判断に重要です。

イーサリアムとビットコインの機能の違いを比較

ビットコインが「決済手段」としての役割を主とするのに対し、イーサリアムは「開発プラットフォーム」としての機能が中心。このBTCとETHの違いが、それぞれの技術的特徴や活用方法に大きな影響を与えています。

スマートコントラクト機能の有無

ビットコインとイーサリアムの最も顕著な違いは、スマートコントラクト機能の有無にあります。

• ビットコイン：P2Pの電子決済に特化しており、価値の移転と記録に重点を置いたシンプルで堅牢な設計。スマートコントラクト機能は持たない。
• イーサリアム：スマートコントラクトを中核に据え、条件付き取引を自動実行可能。アプリ開発を始めとした幅広い用途に対応し、分散型プラットフォームとして機能。

この機能の違いが、両者の実用性と可能性を大きく分けています。

決済手段としての実用性

ビットコインとイーサリアムは、決済手段としての実用性に明確な違いがあります。

ビットコインの実用性は以下の通りです。

• 中央機関を介さず低コスト・高速な国際送金を可能にする「電子マネー」として設計
• エルサルバドルで法定通貨に採用・日本でも一部店舗で導入されるなど、日常決済への実用性が普及

一方で、イーサリアムは決済手段としても使われますが、 取引は主にエコシステム内に限定され一般的な決済利用は限定的。主に以下の用途で使われます。

• NFT購入
• DAppsのガス代として利用

このように、ビットコインは広域な日常決済、イーサリアムは主にデジタルサービス内での取引に強みを持っています。

DeFiやNFTでの活用可能性

イーサリアムは、以下の理由からDeFi（分散型金融）やNFT（非代替性トークン）の分野でビットコインを大きく上回る可能性を持ちます。

• スマートコントラクト機能により、DeFiプロトコルやNFTマーケットプレイスの基盤として不可欠
• DeFiでは、Uniswap（分散型取引所）やCompound（レンディング）など多数のサービスが稼働
• NFT分野では、OpenSeaなど主要マーケットがイーサリアムを基盤とし、ETHが主要決済通貨として機能

一方で、ビットコインはスマートコントラクト非対応のため、DeFi・NFT分野での活用は限定的。一部の試みはあるものの、イーサリアムほどのエコシステムや開発自由度はありません。

よって、DeFiやNFT、DAOに注目する投資家にとって、イーサリアムはより有望な選択肢です。

イーサリアムはビットコインを超える？将来性の違い

ビットコイン（BTC）とイーサリアム（ETH）の暗号通貨とは、仮想通貨市場の二大巨頭。ビットコインとイーサリアムのどっちに投資すべきかという疑問は多くの投資家が抱くものです。

ここからは、双方の将来性に着目し、イーサリアムがビットコインを超える可能性について詳細に解説します。

ビットコインの将来性

ビットコイン（BTC）とは、2009年に登場した世界初の分散型デジタル通貨で、中央機関を介さない「決済手段」として設計されました。将来性を語る上での主なポイントは以下の通りです。

• 希少性による価値保全：発行上限は2,100万枚、約4年ごとの「半減期」により供給が抑制。インフレ耐性のある「デジタル・ゴールド」として、長期投資家に人気。
• 決済手段としての普及：エルサルバドルで法定通貨に採用、日本でも一部店舗で利用可能。国際送金や日常決済に対応し、実用性が拡大中。
• 機関投資家の参入：米国でのビットコインETF承認により、大口資金の流入が加速。他国にも波及し、さらなる需要増が期待される。

ビットコインは、価値の保存手段とグローバルな決済インフラとして、今後も仮想通貨市場の基軸通貨であり続ける可能性が高いと考えられます。

イーサリアムの将来性

イーサリアム（ETH）とは、2015年に開発された分散型プラットフォームで、スマートコントラクトや分散型アプリ（DApps）の開発基盤を提供します。将来性の主なポイントは以下の通りです。

• スマートコントラクトの革新性：自動契約実行により、第三者不要で安全かつ効率的な取引を実現。DeFiやNFT、エルフトークンなどのメタバース領域など多分野で活用。
• 供給量調整メカニズム：発行上限はないが、取引手数料の一部を焼却（バーン）し希少性を高める仕組みを実装。
• 継続的な技術進化：PoS（プルーフ・オブ・ステーク）への移行でエネルギー効率と処理速度が向上。技術アップデートが利便性と持続可能性を強化
• 機関投資家の期待：米国でのイーサリアムETF承認が期待され、資金流入と価格上昇の追い風に

上記のポイントから、技術的優位性と多様な応用範囲により、イーサリアムは今後も価値を高め続ける有望なプラットフォームだと言えるでしょう。

イーサリアムがビットコインを超える可能性

「フリッピング（Flippening）」とは、イーサリアム（ETH）がビットコイン（BTC）の時価総額を超える可能性を指します。これは、「イーサリアムとビットコインのどっちが優位なのか」という、仮想通貨市場で長年にわたって議論されてきたテーマの象徴的な概念でもあります。

現在はビットコインが優位ですが、イーサリアムの成長によって逆転の可能性も十分にあります。イーサリアムが優位となる理由は、次の通りです。

一方で、以下のようなビットコインの強みも健在しています。

• 「仮想通貨の元祖」としてのブランド力、信頼と認知度
• 発行上限2,100万枚によるデジタル資産としての希少性
• 長期的な価値保存手段としての地位を確立した安定性

結論として、イーサリアムがビットコインを超える可能性は十分にありますが、それはイーサリアムエコシステムの成長と、技術的な課題の解決にかかっています。

投資家としては、両者の特性を理解し、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、分散投資を検討することが賢明な選択と言えるでしょう。

ビットコインとイーサリアムは、買うならどっち？

ここからは、イーサリアムとビットコインのそれぞれの投資パターンについて詳しくご紹介します。

両者ともイーロンマスクが注目する仮想通貨ですが、投資における特徴は異なります。

長期投資・価値保存を重視するならビットコイン

ビットコイン（BTC）は2009年に誕生した世界初の仮想通貨で、「デジタルゴールド」と称されるように、希少性と非中央集権性が大きな特徴です。また、次の理由も長期投資に適しています。

• 発行上限は2,100万枚、約4年ごとに半減期を迎えることでインフレに強い設計
• 価値の保存手段・資産保全として長期投資に適している
• 決済手段としての実用性も高く、国際送金において低コスト・高速
• 法定通貨化（例：エルサルバドル）や一部店舗での導入など、普及が進行中

過去の価格推移も堅調で、長期的な視点での資産運用を目指す投資家にとって有力な選択肢と言えるでしょう。

短期投資・エコシステムを重視するならイーサリアム

イーサリアム（ETH）は、単なる仮想通貨ではなく、分散型アプリケーション（DApps）開発のためのプラットフォームです。その中心にあるのが「スマートコントラクト」機能で、第三者を介さず自動かつ安全に契約を実行できます。

スマートコントラクトを活用した主な分野は以下の通りです。

• 分散型金融（DeFi）
• NFT（非代替性トークン）
• ブロックチェーンゲーム
• メタバース関連サービス

さらに、発行上限はないものの、手数料の一部を焼却（バーン）する仕組みにより流通量が調整され、需要増に伴う価格上昇が期待されます。短期的な値動きやWeb3時代の成長性に注目する投資家には、イーサリアムが魅力的な選択肢です。

リスク分散のために両方への投資もおすすめ

ビットコインとイーサリアムは異なる特性を持つ仮想通貨1000倍銘柄。「イーサリアムとビットコインのどっちが優位か」という観点ではなく、両者に分散投資することでリスク低減が可能です。

両者に投資することで、片方の価格が下落しても、もう片方で損失をカバーできる可能性があります。

ただし、両者は市場全体の影響を受けやすく、値動きが似ているため、分散効果は限定的。
市場に慣れてきたら、他のアルトコインも取り入れて、より広い分散でリスク管理を強化すると良いでしょう。 投資目標とリスク許容度を明確にし、戦略的なポートフォリオ構築が重要です。

まとめ

本記事では「イーサリアムとビットコインの違い」というテーマで、両者の用途・技術・発行上限・価格・合意方法など、さまざまな観点から分かりやすく比較・解説しました。

ビットコインは次の特徴を有しています。

• 価値の保存や決済手段としての役割が強い
• 発行上限が2,100万枚

一方でイーサリアムは、次のような特徴が強みです。

• スマートコントラクトや分散型アプリの基盤として利用
• 発行上限がなく、技術革新や持続可能性を重視

このように、ビットコインは「デジタルゴールド」としての性質を持つ一方で、イーサリアムはより柔軟で機能性の高いプラットフォームとして進化を続けています。

また、ブロック生成時間やコンセンサスアルゴリズムの違いも、両者の利用シーンや将来性に大きく影響しています。

本記事を通じて、ビットコインとイーサリアムの違いを明確に理解できたはずです。ただし、仮想通貨は価格変動が大きくリスクも伴うため、最新情報や自身の目的に応じて慎重に判断することが重要。

あなたの新しい仮想通貨選びが、より納得できるものとなることを願っています。

参考情報

• ビットコイン-オープンソースのP2P通貨
• Ethereum.org: イーサリアム完全ガイド
• 仮想通貨価格、チャート、仮想通貨時価総額 | CoinGecko