ホーム 暗号資産(仮想通貨) Web3とは?使われる技術やWeb2との違いもわかりやすく解説

Web3(ウェブ3)とは、ブロックチェーンを活用し、個人がデータや資産を直接管理する次世代の分散型インターネット。Web2.0との違いやNFTなどの実用例を解説。

Web3とはブロックチェーン技術を活用し、中央管理者を介さずにユーザーがデータや資産を直接管理できる次世代のインターネットのこと。

Web3は従来のインターネットとは大きく異なる仕組みを持ち、私たちのデジタル社会を変革する可能性を秘めていますが、「Web3.0とは何か、今ひとつ分からない」という方が多いかと思います。

そこで本記事では暗号資産(仮想通貨)に特化したメディアであるCoinspeakerが、Web3の基本概念から実用例、将来の展望までわかりやすく解説していきます。

Web3とは?

Web3は、ブロックチェーン技術を活用した分散型インターネットの概念のこと。

これまでのインターネットが特定のプラットフォーマーに依存していたのに対し、Web3はデータを個人に分散させ、ユーザー同士が直接、データやコンテンツ、お金をやり取りできる仕組みを目指しています。

ビットコインを開発した正体不明のサトシナカモトという人物によって、分散型の技術が広まり、これがWeb3の基盤となっています。

経済産業省はWeb3を「ブロックチェーン上で、暗号通貨(仮想通貨)等のトークンを媒体として価値の共創・保有・交換をおこなう経済」と定義しており、より透明で公平な経済活動が期待されています。

インターネットの発展段階においては、Web1.0(一方通行のインターネット)、Web2.0(双方向コミュニケーションのインターネット)に続き、2020年頃からWeb3による経済活動が拡大しています。

また、Web3.0は元々セマンティックWeb(情報に意味付けする技術)を指す概念でしたが、現在はWeb3(ブロックチェーン技術による分散型インターネット)とほぼ同じ意味で使われています。

Web3の特徴

分散型ネットワークのデジタル構造

Web3には、従来のインターネットとは大きく異なる特徴があります。ここでは、Web3の主要な特徴を3つに分けて詳しく解説します。

データの「分散管理」で中央集権から脱却

Web3の核となる特徴は非中央集権化です。これは、データやサービスが特定の企業や組織ではなく、ネットワーク参加者間で共有されることを意味します。

現在のWeb2.0では、一部のプラットフォーマーが個人のデータを管理しており、個人の情報所有権が侵害されているという懸念があります。

Web3は、中央集権的な組織を介さずに、個人が自身の情報を所有し、安全に利用できる新しいインターネットを目指しています。

ブロックチェーン技術がこの非中央集権化を支えています。多数の運営者によって維持されるノードがデータの独占を防ぎ、取引データは改ざんされないよう相互検証され、高い透明性を実現します。

スマートコントラクトという仕組みを持つ

Web3におけるスマートコントラクトは、ブロックチェーン上で契約を自動実行する仕組みです。これはプログラミングの「if-then」文のように機能し、「if」の条件が満たされれば「then」の処理が自動で実行され、契約が完了します。

スマートコントラクトは、自動販売機のように、事前に定められた条件を満たすと取引が即座に実行されるイメージです。これにより、人手を介さずに取引を自動化し、さまざまなサービスを構築できます。

処理内容は自由にプログラムでき、トークンなどを使って取引が開始から完了まで自動で行われます。

データの所有権がユーザーにある

Web3は、特定の組織に依存しない分散型システムです。ユーザーは暗号技術で自身のデータを管理し、価値を取引できます。

従来のWeb2.0と異なり、Web3ではユーザー自身がデータの所有・管理権限を持ちます。秘密鍵を使うことで、データの保存や移転、利用方法を自身で制御可能です。

これにより、大手プラットフォーマーへの個人情報や富の集中を防ぎ、データ不正利用やアカウント停止のリスクを回避できます。しかし、データのセキュリティ対策は自己責任となります。

Web2.0とWeb3.0の違い

Web2.0とWeb3.0には、根本的な違いが存在します。これらの違いを理解することで、Web3がもたらす変革の大きさを把握することができます。

項目 Web2.0 Web3.0
主体 プラットフォーム企業 ユーザー
データの所有権 企業 ユーザー自身
収益モデル 広告・個人情報の活用 トークン・報酬での分配
技術基盤 中央集権的なサーバー ブロックチェーン
スマートコントラクト
主体が違う

主体が違う

利用者視点で見ると、Webの進化は情報のやり取りにおける主体の変化と捉えられます。

Web1.0は、企業や一部の個人が発信する情報を閲覧する、一方通行のコミュニケーションが中心でした。

Web2.0になると、GAFAのようなプラットフォーマーが登場し、誰もがSNSなどを通じてコンテンツを作成・発信できるようになり、双方向のコミュニケーションが可能になりました。

そして現在注目されているWeb3.0は、データの所有や決済処理といったインターネット上の仕組み自体を利用者側に分散化することで、非中央集権的な新しいエコシステムの創出を目指しています。

データの所有権が違う

データの所有権が違う

最も重要な違いは、Web2.0が中央集権型のWebであるのに対して、Web3.0が分散型のWebであることです。

Web2.0は、Google、Facebook、Amazonなどの大企業がユーザーデータを収集し、管理し、利用することによって成り立っています。

これに対して、Web3.0は、分散型アプリケーション(DApps)を通じて、ユーザーが自分自身のデータを所有し、管理し、共有できるようになります。

Web2.0では、個人情報は大企業のサーバーに集中して管理される形になっています。一方、Web3では個人が自身のデータや資産を直接管理し、大企業に依存しない新しいインターネットの形が広がりつつあります。

収益モデルも違う

収益モデルも違う

Web2.0では、プラットフォームがユーザー間の資金を収集・分配し、その際に個人情報や行動データ、手数料も集められ、データの所有権がユーザーにないことが問題でした。

一方、Web3.0ではトークンエコノミーという新たな経済圏が形成されます。各プロジェクトは独自のトークン経済圏を構築し、将来的には複数のゲームやアプリで同じトークンを利用できるようになることが構想されています。

トークンには、決済手段となる代替性トークン(FT)と、デジタルアートのような唯一無二の価値を持つ非代替性トークン(NFT)の2種類があります。

技術基盤も大きな違い

技術基盤も大きな違い

Web2.0はクライアント・サーバーモデルに基づき、データは中央集権的に管理されます。

対照的に、Web3.0はブロックチェーン技術を基盤とし、データを分散型ネットワークで管理します。

この技術革新は、ビジネスモデルや社会構造を変革する可能性を秘めています。

スマートコントラクトにより、契約条件の自動実行が可能となり、取引プロセスの透明性と信頼性が向上します。

Web3技術の実用例

仮想通貨が支配する未来都市のビジョン

Web3技術は理論だけでなく、実際に様々な分野で活用されています。ここでは、代表的な3つの実用例について詳しく解説します。

分散型金融(DeFi)での資産運用

DeFiは「Decentralized Finance(分散型金融)」の略で、ブロックチェーンを基盤とした金融サービスです。銀行のような中央管理者がおらず、ブロックチェーンに参加するユーザー同士が直接取引を行います。

DeFiの大きな特徴は、記録された情報の正確性を担保するブロックチェーンと、契約を自動実行するスマートコントラクト機能です。これにより、不正のない取引を可能にしています。

主なメリットは、取引手数料を抑えられること、地理的な制限なく世界中で利用できること、そして個人情報の提示や本人確認が不要な点です。例えば、分散型取引所(DEX)では従来の金融機関の約1/2〜1/5の手数料で仮想通貨取引を実現しています。

これにより、日本人のビットコイン成功者も続々と生まれている状況です。

NFTでアートやゲームの所有権を証明

NFTは「Non-Fungible Token(代替不可能なトークン)」の略で、唯一無二の価値を持つデジタルデータを指します。NFT技術により、デジタルデータに固有のIDが付与され、複製されてもオリジナルを識別できます。

NFTはアートに留まらず、多岐にわたる分野で活用されています。

  • ゲーム業界:キャラクターやアイテムの売買に利用され、ゲーム内のアセットに現実世界でも通用する価値を与えています。
  • 海外事例:NBAではプレイ動画のNFT化が進み、レブロン・ジェームズのダンクシーンなど希少な動画コンテンツが6桁の金額で取引されています。
  • 不動産・アパレル業界:メタバース空間での土地やファッションアイテムの売買に導入され、投資やアバター用アイテムの購入が可能になっています。

DAOによる自律分散型組織の運営

DAOは、ブロックチェーンを用いた新しい組織形態です。中央集権型とは異なり、参加者がガバナンストークンを持ち、投票を通じて意思決定に関与します。

権限が分散されるため、リスクが低減され、主体的な運営が可能です。スマートコントラクトにより、組織運営の効率性と透明性が向上し、不正や運営費用の削減が期待されます。

トークンを用いた多数決でルールをプログラム化し、システムが運営を統括するため、参加条件を満たすメンバーが参加でき、意思決定から運営までが自動化されます。

これは従来の企業や社会構造を変える可能性を秘めています。

Web3の将来性と今後の見通し

web3の抽象的な概念とブロックチェーン

Web3は現在発展途上の技術ですが、その将来性は非常に高く評価されており、様々な分野での成長が期待されています。

Web3を巡る最新の流れも踏まえつつ、今後の見通しを解説します。

手数料が安くなり、使いやすさが増す

ビットコインのLayer2技術であるライトニングネットワークの発展により、取引手数料が大幅に削減されています。特にライトニング決済は、従来のクレジットカード決済手数料(2~3%)を0.0029%まで低減し、約1,000分の1に抑えることが可能です。

これは、営業利益率が低い店舗にとって大きな負担となっていたキャッシュレス決済導入の障壁を下げます。手数料だけでなく、入金サイクルの遅さもキャッシュレス化を阻む要因でしたが、ブロックチェーン技術はこれらの課題解決に貢献します。

ブロックチェーンの処理能力も改善され、異なるブロックチェーン間の相互運用性も向上。これらの技術改善により、Web3サービスはさらに利用しやすくなるでしょう。

本物の資産をトークンにする流れが進んでいる

現物資産のトークン化(RWA)とは、不動産や芸術品などの現実資産をブロックチェーン上のトークンで表現し、取引を効率化・透明化する取り組みです。

TISなどのITサービス企業がRWAの実用化を支援しており、これまで流動性の低かった資産の取引が容易になります。

NFT化された商品の取引も活発で、メタバース連携によるデジタルと現実の融合も進んでいます。

ルールが整い、企業も参入しやすくなる

Web3の普及には法整備と税制改正が不可欠です。現在、トークンを用いた仮想通貨のICOなどの資金調達やDAO運営、仮想通貨のプレセールは既存制度に対応しておらず、健全な市場形成には消費者保護と事業展開を考慮した法制度の見直しが求められています。

政府もWeb3推進に積極的で、2022年には経済産業省が「Web3.0政策推進室」を設置しました。アシックスなどの大手企業もNFT事業へ参入しており、Web3市場の拡大を後押ししています。

経営コンサルティング会社A.T.カーニーの予測によると、日本のWeb3市場は2021年の約0.1兆円から2027年には約2.4兆円へと20倍以上に成長し、世界のWeb3市場全体の成長率を上回る見込みです。政府と企業の動きが、Web3をより身近な存在にするでしょう。

1000倍仮想通貨も登場していて、その将来性が期待されています。

まとめ

Web3とはブロックチェーンを基盤とし、中央集権的なWeb2.0とは異なり個人がデータの所有権を持つ分散型インターネットのこと。おすすめ仮想通貨の多くもこの技術基盤を活用しており、これにより透明性と自由度の高いデジタル社会が実現されます。

DeFi、NFT、DAOなどの活用が進み、おすすめミームコインの取引も活発化している中、日本市場は2027年には約2.4兆円規模への成長が見込まれ、法整備も進行中です。

技術的な課題やセキュリティリスクは存在しますが、草コインへの投資リスクも含めて、これらは今後の発展で解決されるでしょう。

Web3はインターネットのあり方を根本的に変え、より公平で自由なデジタル社会を築く可能性を秘めています。

Web3に関するよくある質問

Web3とメタバースの違いは何ですか?

Web3の欠点は何ですか?

Web3とは簡単に言うと何ですか?

ウェブ3で何ができるようになりますか?

Web3の具体例は?

ブロックチェーンとWeb3の違いは何ですか?

参考情報

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