金55%高もビットコイン低迷|VanEckが2026年回復を予測

2025年は金が55%上昇するもビットコインはマイナス成長となった。VanEckは2026年のビットコイン回復と金5000ドル到達を見込む。

星 瑞希 By 星 瑞希 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
金55%高もビットコイン低迷|VanEckが2026年回復を予測

Key Notes

  • 2025年は金が55%上昇する一方でビットコインはマイナス成長を記録した.
  • ビットコインが主要資産クラスの中で最下位となるのは2011年以来初めて.
  • VanEckは2026年のビットコイン回復と金価格5000ドル到達を予測している.

資産運用会社VanEckの担当者は24日、2026年の市場展望においてビットコイン(BTC)の回復と金価格のさらなる上昇を予測した。

2025年の金融市場は、金が年間で55.2%の大幅な上昇を記録し、主要な資産クラスの中でトップの成績を収めた。

対照的に、ビットコインはマイナス1.2%のリターンとなり、他の資産と比較して大きく低迷している。

金とビットコインの明暗分かれる

インド経済誌The Economic Timesの分析によると、ビットコインが追跡対象の資産クラスの中で最下位の成績となるのは、比較可能なデータが存在する2011年以来初めてのことだ。

これまでビットコインは、市場の変動期においてリスク資産と共に動くか、あるいは圧倒的な高リターンを記録して市場を牽引する傾向があったが、2025年はその歴史的なパターンが完全に逆転する結果となった。

ナスダック100指数が15.5%のリターンを提供する中、ビットコインの不振は際立っている。

金の記録的なパフォーマンスは、世界的なマクロ経済の不確実性が高まる中で、インフレや市場の混乱、通貨価値の低下に対する伝統的なヘッジ手段として機能した結果であるといえる。

市場環境の変化と要因

ビットコインが歴史的な低迷を見せた背景には、複数の要因が複雑に絡み合っている。

The Economic Timesは、市場の成熟化、規制当局による圧力、そして投資家心理の変化が、ビットコインを主要資産の中で最下位に押し下げた主因だと指摘する。

市場アナリストの間では、2025年のビットコインは主流資産としての成熟を証明できなかったとの見方が強まっている。

S&P500など代表的なリスク資産が堅調に推移する中で、ビットコインが逆行安となったことは、多くの市場参加者を失望させた。

一方、米市場分析番組StockCharts TVのアナリストは、伝統的な株式市場と暗号資産(仮想通貨)市場のパフォーマンス乖離が恒常的に続くとは考えにくいと指摘する。

2025年は、他の資産が堅調な中でビットコインだけが取り残される特異な年となる可能性があるが、長期投資家にとっては押し目買いの好機ともなり得る。

2026年の回復と金価格の展望

VanEckのマルチアセットソリューション責任者デビッド・シャスラー氏は、金融資産の価値低下が進む中、金の上昇基調は今後も続くとの見方を示した。同氏は、金価格が早ければ来年にも1オンスあたり5000ドルに達すると予測している。

一方、VanEckの運用チームは、2025年に低迷したビットコインが2026年にかけて力強く回復すると見込む。一部の専門家は、この動きが新たな仮想通貨バブルの予兆であると分析している。

長期的に見ると、ビットコインは2011年以降、累積で315,101%という高いリターンを記録しており、2025年の不振は一時的な例外と捉えられる余地がある。

過去の傾向では、金も急騰後に調整局面を迎えるケースが少なくない。

ただし、経済の先行き不透明感が続く中、安全資産としての金への需要と、割安感が意識されるビットコインへの資金回帰が、市場参加者の注目点となっている。

Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。

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星 瑞希
Coinspeakerニュースライター 星 瑞希

2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。

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