サークル、プライバシー重視ステーブルコイン「USDCx」発表

サークルがアレオと提携し、プライバシー強化型ステーブルコイン「USDCx」を発表。機関投資家の採用を促進する。

赤松 柊弥 By 赤松 柊弥 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
サークル、プライバシー重視ステーブルコイン「USDCx」発表

Key Notes

  • サークルがアレオ上でプライバシー強化型ステーブルコインUSDCxを発表.
  • 取引履歴を隠蔽しつつ規制当局への開示機能を備える.
  • 透明性を懸念する銀行や機関投資家の需要に対応.

サークル社は9日、プライバシー重視のブロックチェーンを開発するアレオと提携し、ステーブルコイン「USDCx」をテストネット上でローンチした。

USDCxは、ゼロ知識証明技術を活用してブロックチェーン決済に銀行レベルのプライバシーを提供。

規制当局への情報開示も可能な設計となっている。

取引履歴を秘匿しつつ規制遵守を両立

USDCxは、サークルが新たに導入したインフラ「xReserve」を基盤とする。

ドルに1対1でペッグされたステーブルコインUSDCの裏付けを維持しながら、取引の詳細を外部から見えなくする仕組みを採用。

パブリックブロックチェーンでは通常、すべての取引履歴が公開される。

銀行や大企業にとっては、顧客の残高や支払い履歴が第三者に閲覧可能な状態となることが、ブロックチェーン導入の大きな障壁となっていた。

アレオのハワード・ウー共同創設者は「完全な匿名性ではなく、銀行レベルのプライバシーを提供する」と説明。

各取引にはコンプライアンスレコードが含まれ、法執行機関や規制当局からの要請があれば、サークルが必要な情報を提供できる仕組みとなっている。

機関投資家向けの需要に対応

ウー氏によると、給与支払いプロセッサや予測市場などからプライバシー対応ステーブルコインへの需要が高まっている。

給与処理においては、企業が社内の給与体系を競合他社に公開することなく従業員への支払いが可能となる。

また予測市場では、ユーザーが実世界のイベントや金融データに対する賭けを行う際、取引履歴を外部に晒さずに済む利点がある。

サークルのカシュ・ラザギ最高商務責任者は「高品質な準備資産とオンチェーンでの可視性およびプライバシーを組み合わせ、ステーブルコイン利用を拡大する基盤を強化する」と述べた。

資産トークン化の潮流と合致

今回の動きは、現実資産のトークン化が進む業界のトレンドとも一致している。

ブラックロックはトークン化されたマネーマーケットファンド「BUIDL」を運用。

同社のラリー・フィンクCEOは「すべての株式、債券、ファンド、あらゆる資産はトークン化できる」と投資家向け書簡で言及した。

ロビンフッドもブロックチェーンを活用した株式取引のテストを実施し、ストライプはおすすめ暗号資産(仮想通貨)に多額の投資を行っている。

USDCxのメインネットローンチは2026年1月末を予定している。

Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。

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赤松 柊弥

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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