バイナンスジャパン(Binance Japan)は、業界最大手のバイナンスが日本人投資家向けに展開している暗号資産(仮想通貨)取引所です。
ただ、日本でのサービス展開はまだ歴史が浅く、「バイナンスジャパンって評判はどうなの?」「使うのは危ないんじゃないの?」といった疑問や不安を持つ方も多いでしょう。
そこで本記事では、バイナンスジャパンについて以下の内容を解説します。
バイナンスジャパンがいつから日本でサービスを開始したか、メリット・デメリットなども丁寧に解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

| 名称 | バイナンスジャパン |
|---|---|
| 運営会社 | Binance Japan株式会社 |
| 創業 | 2023年8月 |
| 銘柄数 | 60種類以上(現物) |
| 日本語対応 | ○ |
バイナンスジャパン(Binance Japan)とは、世界最大の取引高を誇る海外取引所バイナンスが日本人向けに展開している仮想通貨取引所です。
一番の魅力は取扱銘柄数の豊富さにあり、2025年11月時点では国内トップクラスとなる60種類以上もの銘柄を取り揃えています。
また、その豊富な銘柄を0.1%以下の格安な取引手数料で売買することが可能。バイナンスジャパンは日本語にも対応しているため、安心して使えます。
サービスのバリエーションも多彩であり、レンディングや自動積立の他、海外発祥ならではのサービス(取引ボットやNFTマーケットプレイス)も用意されています。
日本で仮想通貨取引所のサービスを提供するには、日本の法律に合わせた運営体制を整えて、金融庁に事業者登録をおこなう必要があります。
ところがバイナンスは当初、その登録をおこなわないまま、つまり日本の法律に適合しない状態で本家海外版のサービスを日本人向けに展開していました。
その状態を是正するために生まれたのが、バイナンスジャパンです。
バイナンスグループは日本にBinance Japan株式会社を設立し、日本の法律に準拠した上で仮想通貨交換業者として正式に登録。
そして2023年8月から、バイナンスジャパンのサービスを正式にスタートしました。
なおその際、海外版を利用していた日本人ユーザーには移行方法を丁寧に案内するなど、バイナンスジャパンへスムーズに移行するための対応が実施されました。

バイナンスジャパン(Binance Japan)は、業界トップのバイナンスが日本向けに展開している仮想通貨取引所です。
銘柄数が豊富である点など、海外発祥ならでは利用メリットがある一方で、逆にそこから生じるデメリットも存在します。
メリット
デメリット
まずは、5つのメリットをそれぞれ詳しく確認していきましょう。
バイナンスジャパンは、取扱銘柄数の豊富さが魅力の1つとなっています。
国内取引所は上場審査が厳しいため、競合他社では取扱銘柄数が30〜40種類程度にとどまることも少なくありません。
一方バイナンスジャパンは、海外版のバイナンスで蓄積された知見を活かしつつ、日本の審査基準にも対応した形で60種類以上の銘柄をラインナップ。
こうした幅広い選択肢によって、柔軟なポートフォリオ構築が可能です。
分散投資をしたい人はもちろん、将来性のあるプロジェクトを早めに押さえたい仮想通貨投資家にとっても、使いやすい環境が整っていると言えるでしょう。
手数料の安さも、バイナンスジャパンの大きな利点です。
まず前提として、仮想通貨の取引形式には「販売所」と「取引所」の2種類があります。
バイナンスジャパンでは、用意されている60種類以上すべてを取引所形式で売買できます。
これにより、販売所特有の割高なスプレッドを避けつつ、コストを抑えた効率的なトレードが可能です。
バイナンスジャパンでは、デフォルトの状態でも十分リーズナブルな手数料で取引を楽しめます。
しかし、独自トークンのBNB(ビルドアンドビルド)を活用すると、さらにお得に取引できます。
まず、取引手数料をBNBで支払うと25%割引が適用されます。
さらに取引量やBNBの保有量に応じてランクが上がるVIPプログラムもあり、その条件を満たすことでより大きな手数料割引を受けることもできます。
ちなみに、BNBの買い方は別途解説しています。興味がある方はそちらもご参照ください。
バイナンスジャパンでは、日本向けに調整した形で、海外版の人気サービスの一部を利用できます。
代表的なものが、取引ボットとローンチプールです。
取引ボットは、設定したルールに沿って自動で売買を繰り返すツールです。感情に左右されない取引や、相場が細かく動く局面で細かな利幅を狙う際に役立ちます。
またローンチプールは、BNBを預けることでさまざまな新しい仮想通貨を獲得できる仕組みです。
ただし日本の法令に合わせるため、バイナンスジャパンでは新しい仮想通貨そのものを受け取れるのではなく、BNBに換金した上で分配されます。
それでも、国内でこうした先進的サービスを提供している例は少なく、バイナンスジャパンならではの強みとなっています。

バイナンスジャパンは、仮想通貨取引のサービスだけでなくNFTマーケットプレイスも提供しています。
取引のために仮想通貨ウォレットに資産を移し替える必要もなく、有名タイトルのコレクタブルNFTを手軽に売買できる点が特徴です。
仮想通貨とNFTの両方を一つのサービスで扱えるため、資産管理もしやすくなります。
なお、日本版のNFTマーケットプレイスは国内法に合わせた仕様となっており、NFTローンのような一部機能は利用できません。
とはいえ、国内でNFTと仮想通貨の両方を扱っている事業者は限られており、バイナンスジャパンは非常に利便性の高いプラットフォームだと言えるでしょう。

続いて、バイナンスジャパンのデメリットも1つずつ確認しておきましょう。
バイナンスジャパンは日本円建ての通貨ペアを順次追加していますが、現状ではすべての銘柄を円建てで売買できるわけではありません。
このような状況を生んだ背景として、本家海外版バイナンスではステーブルコインのUSDT建てでの取引が基本になっていることが挙げられます。
日本法人設立の際、USDT建てでは日本の法令に適応できずに代替としてビットコイン建てのペアが中心となったため、円建てペアが後から追加される状況が生まれました。
そのため一部の銘柄では、円で直接売買できずに「日本円→ビットコインやBNB→アルトコイン」という手順を踏む必要があります。
このようにビットコインなどを中継する形では、手間が増えるだけでなく、わずかながらも余計なコストが発生することになります。
また、日本の仮想通貨の税制に基づいて、確定申告の際に計算の手間も増えてしまいます。
銘柄によっては取引の安定性が低いことも、バイナンスジャパンのデメリットの一つです。
海外版バイナンスはUSDT建てで世界中から注文が集まり、圧倒的な取引量と流動性を誇ります。
しかし、ビットコイン建てや日本円建てでの取引が中心のバイナンスジャパンは、そんな海外本家と取引板を共有できません。
その結果、グローバルな流動性を取り込めず、特に草コインレベルのマイナーな銘柄では流動性が不足しやすくなっています。
また、国内での歴史が浅いバイナンスジャパンは、bitFlyerなどの国内大手と比べるとまだユーザー数が少なく、相対的にも流動性・安定性の面で劣って見えます。
取引の安定性が気になる場合は、口座開設の前に、競合他社の取引板と注文のボリュームや動きを見比べてみるといいでしょう。
バイナンスジャパンは、海外版の多機能さをそのまま持ち込んでいるわけではなく、日本の規制に合わせた形でサービス内容を調整しています。
その一方でローカライズが難航している領域もあり、海外版はもちろん、国内の他社では提供されているサービスの中にも、バイナンスジャパンではまだ利用できないものが存在します。
具体的には、現時点でレバレッジ取引(先物取引)とステーキングサービスが非対応です。
どちらも日本の法令に適合させようとすると、海外版からの大きな仕様変更を余儀なくされるため、実装が進んでいない状況です。
なお、レバレッジ取引については将来的な提供を検討しているとのこと。ただし現時点だと、サービス開始時期などの具体的な内容は明らかになっていません。

バイナンスジャパンの利用を検討しているなら、既存ユーザーがどう感じているかも気になるところでしょう。
本章ではSNSやアプリストアから、バイナンスジャパンへの良い評判と悪い評判、両方を集めて整理しました。
まず、バイナンスジャパンへの良い評判・口コミを見ていきましょう。
一方でバイナンスジャパンに対して、次のようなネガティブな意見・口コミもあります。

ここまでの解説を踏まえてバイナンスジャパンに関心を持った方は、実際に口座を開設し、使用感を試してみましょう。
本章では、口座開設から投資資金の入金、そして現物取引で仮想通貨を購入するまでの基本的な使い方を解説していきます。
まずはバイナンスジャパンの口座を開設しましょう。
手続きのルートは以下の2パターンがあり、手続きには以下の2つの方法があり、どちらの場合もスマホアプリの利用が必須です。
なお今回は、スマホアプリのみを使って口座を開設する方法をご紹介します。
口座開設が完了したら、次は取引の軍資金を入金しましょう。
取引資金として仮想通貨を入金することも可能ですが、ここでは日本円の入金方法をご紹介します。
バイナンスジャパンでは、「販売所」と「取引所」の2種類の取引形式が用意されています。
それら両方の形式で、仮想通貨の購入方法を確認しておきましょう。

バイナンスジャパンは、グローバル企業としてのノウハウと日本の法令に基づく厳格なルールの双方を取り入れながら、安全性を重視した運営をおこなっています。
ここでは、そのセキュリティ対策を具体的に見ていきましょう。
まず、国内外の取引所で一般的に採用されている主要なセキュリティ対策は、バイナンスジャパンでも漏れなく導入されています。
代表的なものがコールドウォレットとマルチシグです。
コールドウォレットとは、ネットワークから完全に切り離した状態で資産を保管する仕組みで、ハッキングによる不正アクセスを防ぐための最重要対策の一つです。
またマルチシグは、複数の署名(鍵)がそろわないと資産を動かせない仕組みで、単独操作によるリスクを封じる役割を持ちます。
こうした基本要素が網羅されており、基礎的な安全性は確保されています。
日本の仮想通貨交換業者には、法令に基づいて顧客資産保護に関する厳しいルールが課されており、当然バイナンスジャパンもそれに準拠した運営をおこなっています。
顧客資産保護の中核を担うのが、資産の分別管理です。
顧客から預かった資産は会社の資産とは完全に分けて管理されるため、万が一会社側に問題が発生しても、顧客資産が混同・悪用されることはありません。
さらに、ウォレットの点検や監査も定期的に実施するなど、資産が適切に保全されているかをチェックする仕組みも整えられています。
金融庁の登録業者として、国内の法律に沿った透明性の高い管理体制を維持している点は、大きな安心材料と言えるでしょう。
バイナンスは世界規模でセキュリティ戦略を展開しており、バイナンスジャパンもその一環としてグローバル基準の取り組みを進めています。
例えば2025年には、情報セキュリティの国際規格であるISO認証(ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27701)を取得しています。
これは情報管理やプライバシー保護に関する国際レベルの基準を満たしていることを示すもので、世界的にも信頼性の高いセキュリティモデルと評価されています。
このようにバイナンスジャパンは、国内の法令に従うだけでなく自発的にグローバル基準のセキュリティも採用しており、国内取引所の中でも非常に高い安全性を実現しています。
上述のようにバイナンスジャパンは、グローバル基準のセキュリティも採用するなど、積極的な安全対策を実施しています。
ただしそれでも、オンラインでサービスを提供している以上、ハッキングや仮想通貨詐欺などのリスクを完全にゼロにすることはできません。
これはバイナンスジャパンに限らず、すべての仮想通貨取引所に共通することです。
利用する際はその前提を理解した上で、ユーザー側でもハードウェアウォレットの併用や二段階認証の強化など、セキュリティ対策を徹底することが大切です。
バイナンスジャパンは、海外大手バイナンスが日本の法令に従って2023年に設立した、日本居住者向けの仮想通貨取引所です。
取扱銘柄が豊富で、取引手数料や出金手数料が安く、国内他社にはないサービスが用意されている点が魅力です。
さらにサポート体制も充実しており、上級者だけでなく初心者でも安心して利用できます。
便利で低コスト、かつ安全な環境で仮想通貨投資を楽しみたい方は、ぜひバイナンスジャパンの利用を検討してみてください。
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執筆者
吉谷 元気
, 0 posts株や為替、不動産など多岐にわたる金融分野で執筆経験を積み、現在はCoinspeakerの専属ライターとして活動中。幅広い知見をもとに、仮想通貨(暗号資産)関連の記事執筆・編集を担当。