2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。
ドイツとスイスの法執行機関は11月28日、大規模な暗号資産(仮想通貨)ミキシングサービスを閉鎖し、運営基盤を押収したと明かした。
欧州警察機関(ユーロポール)の協力の下、両国の当局はCryptomixer.ioというサービスを解体した。このサービスは2016年から運営され、長期間にわたり違法な資金移動を支援していたとされる。
ドイツ連邦捜査官によると、同サービスを通じて13億ユーロ(約2300億円)以上のビットコインが洗浄された。犯罪者はこの仕組みを利用し、不正に得た資金の出所を隠蔽していたという。
ミキシングサービスは、ブロックチェーン上の取引履歴を複雑にし、追跡を困難にする技術だ。これにより、ランサムウェア攻撃やダークウェブでの違法取引で得た収益が洗浄されていた。
こうした手法は、仮想通貨詐欺で不正流出した資産の隠蔽にも多用されている。
今回の作戦はチューリッヒを中心に行われ、当局はサービスの運営に関わる重要なサーバー3台を押収した。また、ウェブサイトのドメインも差し押さえられ、現在は閉鎖を知らせるバナーが表示されている。
捜査当局は、2500万ユーロ相当のビットコインを確保することに成功した。さらに、12テラバイトにも及ぶ膨大なデータが回収され、今後の分析が待たれている。
スイス当局は、押収されたデータが広範な犯罪ネットワークの解明に役立つと強調している。取引記録や通信履歴を解析することで、他のサイバー犯罪グループとの関連が明らかになる可能性がある。
今回の摘発は、欧州全体で進められている仮想通貨を利用した犯罪への対策の一環だ。規制当局は、ミキシングサービスが犯罪収益の移転を助長しているとして、監視を強めている。
過去にもChipMixerなどの大規模なミキシングサービスが閉鎖されており、国際的な連携が進んでいる。ドイツ当局は、今回の成果がさらなるサイバー犯罪の捜査に貢献するとの見方を示した。
国境を越えた協力体制により、高度な技術を用いた資金洗浄の手口に対抗する能力が向上している。当局は今後も、違法な資金移動を可能にするインフラの特定と排除に注力する方針だ。
Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。
2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。