ステーブルコインの流通速度が過去2年で倍増|英SC銀行

スタンダードチャータード銀行は、ステーブルコインの流通速度が過去2年で倍増したとするレポートを発表。決済やAI取引の普及が要因。

宇城 良 By 宇城 良 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
ステーブルコインの流通速度が過去2年で倍増|英SC銀行

Key Notes

  • スタンダードチャータード銀行は、ステーブルコインの流通速度が過去2年で約2倍の月6回転に増加したと報告した.
  • 流通速度の上昇は、仮想通貨取引以外の決済やAI主導の取引など、新たなユースケースの普及が主な要因となっている.
  • 同銀行は、ステーブルコインの時価総額が2028年末までに2兆ドル(約318兆円)に達するという強気な予測を維持している.

英スタンダードチャータード銀行は3月31日、ステーブルコインの流通速度が過去2年間で倍増したとする最新のレポートを公開した。

決済やAI取引の普及が流通速度を押し上げ

同銀行のジェフリー・ケンドリックデジタル資産リサーチグローバルヘッドが執筆したレポートによると、ステーブルコインの流通速度は過去2年で約2倍に増加した。

所有者が変わる頻度を示すこの指標は、現在月に約6回転に達している。市場が成長する中で流通速度は一定に保たれるというこれまでの想定とは対照的な結果となった。

既存の供給量でより効率的に取引が処理されている状況が浮き彫りになっている。

このトレンドを牽引しているのは、サークルが発行するUSDCだ。特にソラナ(SOL)やBaseなどのネットワーク上で顕著な動きを見せている。

一方で、USDTは価値の保存手段として利用される傾向が強く、流通速度は比較的低い水準にとどまっている。

流通速度増加の背景には、暗号資産(仮想通貨)取引以外のユースケースへの進化がある。

決済や伝統的金融との統合、AI主導の取引などが主な要因として挙げられる。

オンチェーン決済の普及により、新規発行を伴わずに資金がより速く循環するようになった。新興市場での貯蓄といった従来の役割では、流通速度の変化は限定的だ。

しかし、決済の代替や非取引アプリケーションの構造的な変化が、全体的な上昇を後押ししている。

ケンドリック氏は、取引量が増加しても新規発行の必要性を抑える可能性があると指摘した。

2028年までに2兆ドルへ拡大

流通速度の構造的な変化が確認されたものの、スタンダードチャータード銀行は市場の成長に対して強気な見方を維持している。

同銀行は、ステーブルコインの時価総額が2028年末までに2兆ドルに達するという予測を据え置いた。現在の時価総額は約3150億ドルとなっている。

この予測が実現した場合、米国債に対する約1兆ドルの追加需要が生まれる計算になる。流通速度は現在、供給量と並んで市場を評価する重要な指標となっている。

同銀行は、この流通速度の上昇を幅広い利用方法の変化というよりも、新たな需要を反映したものと分析している。現在の仮想通貨市場では、法定通貨を担保とするステーブルコインが圧倒的な優位性を保っている。

市場シェアの73%をUSDTが占め、USDCが21%でそれに続いている。ステーブルコインが単なる取引の媒介から、実体経済と結びついた決済手段へと進化を遂げている状況が鮮明になった。

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宇城 良
Coinspeakerライター 宇城 良

仮想通貨ライター。取引歴5年、ブロックチェーン技術の解説から市場分析、DeFi・NFTの最新動向までカバーします。複雑なトピックを分かりやすく解説し、皆様の的確な意思決定をサポートします。

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