a16zが150億ドル調達、市場低迷下で鮮明になる米国重視の投資戦略

On 1月 11, 2026 at 4:03 pm UTC by · 1 min read

米ベンチャーキャピタル大手のa16zは、AIや仮想通貨、国防技術などを対象とした新ファンドで総額150億ドル以上を調達した。

米大手ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は9日、複数のファンドを通じて総額150億ドル(約2兆3700億円)超の資金調達を完了した。

2兆円規模の資金調達と投資戦略の全体像

今回の資金調達により、同社が新たに確保した資金は150億ドルを上回り、運用資産総額は約900億ドル(約14兆2200億円)に拡大した。

これにより、世界有数のVCであるセコイア・キャピタルと並ぶ規模に到達した。

調達資金は主に5つの重点分野に配分される。最大となるのは、成長段階にある企業を対象とした「グロースファンド5」で、67億5000万ドルが充てられた。

また、国防や国家戦略に関わる技術を支援する「アメリカン・ダイナミズム・ファンド2」には11億7600万ドルを投入。AI分野では、アプリケーション向けの「アプリファンド2」とインフラ向けの「インフラファンド2」に、それぞれ17億ドルが割り当てられている。

さらに、生物学やヘルスケア分野を対象とするファンドにも7億ドルが配分された。

同社は公式声明で、AIと暗号資産(仮想通貨)を将来の社会を支える中核的な技術基盤と位置付けている。

これらの技術は、投資家が仮想通貨や先端分野の有望銘柄を見極める上でも重要な判断材料となる。

a16zは、AIや仮想通貨を生物学、防衛、教育といった領域に応用し、社会全体の発展に貢献する方針を掲げており、独自戦略に基づくベンチャー投資向けとして、別途30億ドルの資金も確保している。

市場低迷下で鮮明になる米国益重視の投資戦略

今回の資金調達は、米国のベンチャーキャピタル市場が全体的に冷え込む局面で行われた。

2025年はIPOや企業売却による回収が停滞し、業界にとって2017年以来の厳しい環境が続いている。アルトコイン市場と同様に、リスクマネーの流入は慎重姿勢が強まっている。

調査データによると、米国VCの年間調達額は2022年のピークから大きく落ち込み、2025年は660億ドル規模にとどまった。

こうした中で、アンドリーセン・ホロウィッツによる150億ドル超の調達は、全米調達額の18%以上を占める突出した規模となっている。

ベン・ホロウィッツ共同創設者はブログで、中国との技術競争が激化する現状に触れ、技術革新は急速に進む一方で国家間の競争色を強めていると指摘した。

同社はベンチャー投資と国家安全保障の交点に立つ戦略を明確にしている。

とりわけ国防関連技術に特化したファンドは規模を約2倍に拡大し、米国の技術的優位性を維持する姿勢を鮮明にした。この米国重視の方針は、超党派で共有される国家戦略とも合致している。

次世代Web3技術を含む技術覇権争いでは、巨額の資本投入が決定的な影響力を持つとされ、a16zの戦略的方向性は大規模投資家の関心を集めている。

2023年にはカリフォルニア州職員退職年金基金が約4億ドルを出資し、サウジアラビア公共投資基金系のサナビル・インベストメンツも参加した。

報道では今後、国防技術企業のAnduril Industries、開発支援分野のCursor、ソフトウェア大手のDatabricksなどへの投資が検討されているとされる。

他の投資会社が資金調達に苦戦する中、a16zは米国の長期的な技術競争力を支える存在として、産業政策の一翼を担う役割を一段と強めている。

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