a16zは最新レポートで、仮想通貨が成人期に達したと分析。ステーブルコインの急成長と実用化が市場の成熟を牽引していると指摘した。
大手ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は22日、2025年版の仮想通貨の現状レポートを公開し、業界が成人期に移行しているとの見解を示した。
特にステーブルコインの成長が著しいと指摘している。2023年には年間数十兆ドル規模の取引高を記録し、PayPalやVisaを大きく上回る規模でデジタル決済の重要な柱となっている点を強調した。
4 takeaways from the @a16zcrypto 2025 State of Crypto report: https://t.co/SsXDt64UuO pic.twitter.com/4fqFDQWALg
— a16z (@a16z) October 22, 2025
ステーブルコインの爆発的成長と市場の成熟
レポートは、暗号資産(仮想通貨)業界が投機的な段階から、グローバルな金融システムに近い実用的な段階へと進化していると分析している。
現在の仮想通貨市場全体の時価総額は4兆ドル(約608兆円)を超えており、市場の成熟を裏付けている。
特にステーブルコインの成長は著しく、2023年には年間数十兆円規模の取引高に達したとされる。この規模は決済大手PayPalやVisaの数倍に相当し、デジタル決済の重要な柱となっている。
a16zは「ステーブルコインは、ドルを送金するための最も速く、最も安く、最もグローバルな方法になった」と評価している。現在、公のブロックチェーン上に存在する米ドルの1%以上をステーブルコインが占めているという。
また、ステーブルコイン発行体は米国債の主要な保有者にもなっている。その保有額は約1500億ドルに上り、韓国やドイツといった国家の保有額を上回る規模だ。
技術インフラの進化と今後の展望
仮想通貨の普及を支えるブロックチェーンのインフラも大幅に拡張された。ネットワーク全体の処理能力は現在、毎秒3400トランザクションを超え、過去5年間でスループット容量が100倍に増加した。
レポートは、市場の成長が価格・開発者・ユーザーというフィードバックループによって促進されると指摘する。特に、オンチェーン活動の最も急速な成長は発展途上国で見られ、実用的なニーズに基づいた利用が拡大していることが分かる。
この成長を背景に、金融大手の参入も相次いでいる。ブラックロック、フィデリティ、JPモルガンなどの伝統的な金融機関がステーブルコイン関連サービスを拡大しており、ブロックチェーン技術への信頼が高まっている。
a16zは、今後の仮想通貨業界を形作る3つの主要なトレンドとして、ステーブルコインの継続的な成長、現実資産のトークン化、そしてAI技術との統合を挙げた。
これらの要素が組み合わさることで、仮想通貨は投機的な資産から、世界の金融インフラを支える実用的なツールへと移行していくと結論付けている。
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