BitMEX共同創設者のアーサー・ヘイズ氏は、米国の金融政策を背景に、ビットコインが8月まで停滞し、9万ドル台まで下落する可能性を指摘した。
BitMEXのアーサー・ヘイズ共同創設者は3日、自身のブログ投稿で暗号資産(仮想通貨)市場の短期的な見通しを公開した。
その中で同氏は、8月下旬に開催される米連邦準備制度理事会(FRB)のジャクソンホール会議まで、ビットコイン(BTC)は停滞または下落する期間に入ると予測している。
ビットコイン価格は、執筆時点で10万9,000ドル付近で取引されているが、テクニカルな反落により、9万ドルから9万5,000ドルの範囲まで下落する可能性があると警告した。
予測の背景
ヘイズ氏の分析は、市場心理、FRBの政策、仮想通貨の流動性における構造的変化の相互作用を重視している。
同氏は、米財務省が一般口座の補充を開始すれば、金融市場から米ドルの流動性が吸い上げられる可能性があると指摘した。流動性の低下は通常、仮想通貨のようなリスク資産に圧力をかけ、ビットコインの価格調整の可能性を高める。
テクニカル分析の観点では、ビットコインのチャートは高値と安値が切り下がる傾向にあり、弱気の勢いを示している。
このため、マクロ経済状況が改善されない限り、この傾向が続く可能性がある。
同氏は9万ドルへの下落を重要な支持線のテストと見なしている。
8月下旬のジャクソンホール会議は、金融政策の方向性を明確にする可能性のある極めて重要なイベントだ。市場はFRBの政策決定を前に慎重な姿勢を保つとみられ、これが相場の横ばいや下落圧力の一因となるだろう。
アルトコインを清算
ヘイズ氏が運営するトレーディング会社メイルストロムは、リスク軽減のために非流動性の高いアルトコインのポジションをすでに清算している。
マクロ経済状況が悪化した場合、ビットコインへのエクスポージャーをさらに減らし、守りの姿勢を強める可能性がある。
同氏は7月から8月にかけて市場活動が落ち着く、いわゆる夏枯れ相場を予想している。
ビットコインの価格はジャクソンホール会議でFRBの方針が明確になるまで、一定の範囲内で推移するだろう。
心理的な支持線を大きく下回る下落は、より広範な調整を引き起こす可能性がある。
しかし、9万ドルから9万5,000ドルへの下落は、弱い立場の保有者をふるい落とす一時的なものだと見ている。
会議後にマクロ環境が安定すれば、強気相場が再開する土台を築くと同氏は長期的な展望を示した。
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