ブータン王国政府が、約1億5000万円相当のイーサリアムをステーキングしたことが判明した。同国はビットコイン保有国しても知られる。
ブータン王国政府は11月30日、保有するイーサリアム(ETH)の一部をステーキング運用したことが明らかになった。
ブロックチェーン分析企業Arkham Intelligenceのデータによると、同政府は320ETHを移動。これは約97万ドル(約1億5000万円)に相当する額だ。
運用は、機関投資家向けインフラを提供するFigmentを通じて行われている。
この取引は、「ブータン王国政府」と明記されたウォレットから発信されたものだ。政府はイーサリアムのネットワークセキュリティに貢献しつつ、報酬を得ることを目指している。
デジタルID導入に続く動き
今回のステーキングは、10月に実施された国家デジタルIDシステムの導入に続く動きだ。
同システムはイーサリアム上で構築され、式典にはイーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏も参加した。
イーサリアム財団によると、このシステムにより住民はブロックチェーンベースの証明書を利用できる。2026年初頭までにすべての住民IDの移行が完了する予定だ。
豊富な水力発電と収益の多角化
ブータンは主要な輸出品である水力発電に加え、収益源の多様化を図っている。現在のネットワーク状況に基づくと、ステーキングにより年率4〜6%の利回りが期待できる。
同国は、ビットコイン(BTC)の保有でも知られており、その額は6154BTC(約5億6200万ドル)に上る。
資産管理は、国営持株会社であるDruk Holding and Investmentsが担当している。政府はデジタル資産の活用において、即時的な実用性と長期的な価値保存のバランスを取っている。
さらに政府は、観光分野への仮想通貨決済の導入も検討している。
ブロックチェーン技術を多角的に採用することで、技術投資の誘致を目指す構えだ。独自の「国民総幸福量」の理念と先端技術の融合が進められている。
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