米国上院議員は、仮想通貨取引所大手のバイナンスがイラン関連組織へ約17億ドルの不正送金を行った疑いで調査を開始した。
米国上院のブルーメンソール議員は24日、暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンスに対する制裁違反疑惑の調査を開始した。
イラン関連組織への巨額送金疑惑
米国上院のブルーメンソール議員は、バイナンスのリチャード・テンCEO宛てに書簡を送付。同社がイラン政府機関などへ約17億ドルの不正送金を促進したとの懸念を示している。
報道によると、バイナンスのコンプライアンス部門は2025年後半に重大な違反を発見していた。
香港を拠点とする2つの提携企業がマネーロンダリングの仲介役となり、米国や国際社会の制裁を回避していたという。
内部文書では、イランのイスラム革命防衛隊に関連するデジタルウォレットへの送金が確認されている。
さらに、ロシアのエネルギー輸出制限を逃れるための「影の艦隊」の乗組員を支援する支払いも明らかになった。
バイナンスはイラン人ユーザーの利用を禁止しているが、プラットフォーム上にはイラン関連の約2,000のアカウントが存在していた。
これらの不正行為には、テザー(USDT)などのステーブルコインが主要な資金洗浄ツールとして使われていた。
また、提携企業の一つはイエメンの武装組織フーシ派とつながりがあり、資金提供を行っていた疑いも浮上している。
過去の違反と議会の厳しい追及
バイナンスは、過去にも深刻なコンプライアンス違反を起こしている。2023年11月には、イラン関連組織やテロ組織などへ巨額の資金移動を行ったとして有罪を認めた。
その際、同社は過去最高額となる43億ドルの罰金を支払い、コンプライアンス体制の抜本的な見直しに合意していた。
ブルーメンソール議員は、バイナンスが不審な活動に関する明確な警告を無視し、関与した組織を支援したと指摘している。
さらに、これらのリスクを報告した社内のコンプライアンス担当者が停職や解雇の処分を受けていたことも問題視されている。
同議員はバイナンスを「常習犯」と呼び、3月6日までに詳細な内部記録を提出するよう求めた。
一方、バイナンス側は今回の疑惑を全面的に否定している。テンCEOは、同社のコンプライアンス体制が業界で最も強固なものに生まれ変わったと公に主張した。
現在、同社はこれらの問題に関する内部調査を進めている。
今回の調査は、バイナンスがトランプ一族の仮想通貨事業で重要な役割を担っているとの報道がなされる中で開始された。
トランプ政権が過去の制裁違反に対して寛大な姿勢を示しているとの見方もあり、政治的な注目度も高まっている。
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