バイナンス、インサイダー疑惑で従業員を停職処分へ

バイナンスは、内部情報を悪用した従業員を停職処分にしたと発表。従業員は公式SNSを利用して自身のトークンを宣伝した疑いがある。

黒川 理佐 By 黒川 理佐 倉元 大智 Editor 倉元 大智 Updated 1 min read
バイナンス、インサイダー疑惑で従業員を停職処分へ

Key Notes

  • 従業員が公式SNSを悪用し独自トークンを宣伝した疑いで停職処分となった.
  • 問題のトークンは価格が急騰した後に暴落し、市場操作の疑いが持たれている.
  • バイナンスは内部告発者5名に対し、合計約1560万円の報奨金を授与した.

暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンスは7日、内部情報を私的利益のために悪用した疑いで従業員を停職処分にしたと明かした。

公式アカウントを悪用した手口

バイナンスの内部監査部門は同日、従業員が職権を乱用しているとの内部告発を受けた。

この従業員は、52万人以上のフォロワーを持つバイナンスの公式Xアカウントを利用し、特定のトークンを宣伝した疑いが持たれている。

問題となったトークンは「year of yellow fruit」と呼ばれ、BNBチェーン上で新たに発行されたものだ。

オンチェーンデータによると、トークンの作成と公式アカウントでの投稿のタイミングがほぼ一致していたことが判明している。

この宣伝効果により、当該トークンの時価総額は一時360万ドルまで急騰した。しかし、不正の疑いが浮上すると価格は83%暴落し、市場操作を意図した行為であった可能性が高まっている。

こうした手口は、投資家にとって仮想通貨詐欺のリスクとなり得るものだ。

厳格な処分と監視体制の強化

バイナンスは今回の件を受け、情報を提供した5名の内部告発者に対し、合計10万ドルの報奨金を授与したと発表した。

同社は、インサイダー取引や職権乱用に対して、ゼロ・トレランス(不寛容)の方針を改めて強調している。

仮想通貨取引所海外大手として、信頼回復に向けた姿勢を鮮明にした形だ。

同社では2025年3月にも、未公開の上場情報を利用して利益を得ようとした別の従業員が処分されている。

相次ぐ不祥事は、取引所内部のコンプライアンス体制における課題を浮き彫りにしている。

バイナンスは過去に米国の規制当局から制裁を受け、43億ドルの罰金を支払った経緯がある。当局による監視が続くなか、同社はより厳格な内部統制と説明責任を果たすことが求められている。

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黒川 理佐

2021年から仮想通貨投資を始め、数十のプロジェクトをリサーチ・利用。メルマガやSNSで最新情報を発信し、信頼を集める。2025年よりCoinspeaker参画。鋭い分析で、初心者から上級者まで役立つ情報を提供。

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