現物ビットコインETFが7週間続いた純流入を終え、6億4300万ドルの純流出を記録。イーサリアムETFは12週連続で純流入を維持した。
米国の現物ビットコインETFは1日、7週間ぶりに純流出を記録した。
データによると、7月28日〜8月1日の週における純流出額は6億4300万ドルで、これにより年初来の累計純流入額は541億8000万ドルに減少。7週連続の純流入トレンドに終止符が打たれた。
一方、現物イーサリアムETFは好調を維持し、同期間に1億5400万ドルの純流入を記録。12週連続で資金を集めており、主要2銘柄で対照的な動きが際立っている。
ビットコインETF、利益確定売りでセンチメント転換か
7月にはビットコインETFとイーサリアムETFに合わせて過去最高となる128億ドルの資金が流入するなど、市場は活況を呈していた。しかし、今回の流出はこの流れが反転したことを示している。
流出の内訳を見ると、フィデリティのFBTCが3億3142万ドルと最も多く、次いでアーク・インベストのARKBが3億2793万ドルの流出となった。グレースケールのGBTCからも6679万ドルが流出した。
この背景には、7月中旬にビットコイン価格が12万3091ドルの史上最高値を更新した後、機関投資家による利益確定の動きが強まったことがあるとみられる。実際に、ブラックロックのIBITからは一時26億ドルという大規模な償還も報告されており、大口の慎重姿勢がうかがえる。
また、オンチェーン分析プラットフォームCryptoQuantのデータでは、ステーブルコインの送金減少などから、一部の投資家がレバレッジをかけたポジションを解消している可能性も指摘されている。
イーサリアムETFは底堅さ示す
ビットコインETFが流出に転じる中、イーサリアムETFはその底堅さを見せた。12週連続の純流入を達成し、市場の関心が一部シフトしている可能性を示唆している。
ただし、調査対象となった9つのイーサリアムETFのうち、純流入を記録したのはETHAのみだった。これは、イーサリアムETF市場全体が好調というよりは、特定のファンドに資金が集中している状況を反映している。
イーサリアムの価格は、ETFへの資金流入と連動するように7月中に2500ドルから3940ドルへと上昇した。今回のデータは、仮想通貨市場内での資金循環の変化を示す一例と言えるだろう。
なお、ビットコインETFの1日の取引高は61億3000万ドルに達しており、資金流出があったものの、市場の流動性は依然として高い水準を維持している。
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