上場企業Bitmine Immersionは7日、3,400万ドル相当のイーサリアムを追加購入したと発表。供給量の5%確保を目指す戦略の一環。
世界最大のイーサリアム(ETH)保有企業のBitmine Immersion Technologiesは7日、3,400万ドル相当となる8,001 ETHを追加購入した。
これにより、同社のイーサリアム総保有量は約207万ETHに達した。
今回の購入は、同社が推進する「alchemy of 5%」イニシアチブの一環。この戦略は、イーサリアムの循環供給量の約5%を確保することを目標としている。
イーサリアムへの戦略的転換
Bimineは以前、ビットコイン(BTC)の蓄積に注力していたが、2億5,000万ドルの資金調達を経て、イーサリアムの買い増しへと戦略を大きく転換した。
この転換により、同社は世界最大のイーサリアム財務資産を保有する企業となった。
仮想通貨全体の保有額では、ストラテジー社に次いで世界第2位に位置づけられる。
同社は大規模な購入を一度に行うのではなく、複数の取引に分割して実行する手法をとっている。過去には14,665ETHの取得を6回の個別取引で実行した例もあり、今回の8,001ETHの購入もこのパターンに沿った動きとみられる。
専門家の予測とガバナンス強化が後押し
Bitmineの積極的な買い増し戦略の背景には、良好な市場環境と専門家による強気な価格予測がある。
著名アナリストのトム・リー氏は、イーサリアムの価格が年末までに5,500ドルに達し、将来的には1万ドルから1万6,000ドルまで高騰する可能性があると予測している。
同社は、Galaxy DigitalやFalconXといった大手機関投資家向けのトレーディングデスクを活用して、市場への影響を抑えながら購入を進めている。
また、ガバナンス体制の強化も図っており、業界のベテランであるデビッド・シャーバット氏を取締役に迎えた。これは、イーサリアムの蓄積戦略を加速させる中での、監督体制の強化を意図したものと考えられる。
さらに、同社は「ムーンショット」戦略の一環として、イーサリアムエコシステムの強化を目的とした初の外部出資を実施。
Eightco Holdings社に2,000万ドルを出資した。
急成長の裏に潜むリスク
Bitmineの仮想通貨総保有額は92億1,100万ドルを超え、その内訳は206万9,000 ETH、192 BTC、現金2億6,600万ドルとなっている。
同社のイーサリアム保有量は、循環供給量の1%以上を占めるまでに拡大した。
しかし、この急成長にはリスクも伴う。市場分析では、単一のデジタル資産への過度な集中、継続的な株式の希薄化、収益性の低さ、過去のコンプライアンス問題などが重大なリスクとして指摘されている。
同社はイーサリアムを伝統的金融の基盤インフラと位置づけ、その将来性に大きく賭けているが、今後のイーサリアムの価格動向や規制環境の変化が経営に与える影響は大きいだろう。
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