ブラジル中銀元理事が国債裏付けステーブルコインBRDを発表。年利約15%の利回りを保有者に分配することを目指す。
ブラジル中央銀行のトニー・ヴォルポン元理事は6日、ブラジル国債に裏付けられた新たなステーブルコインBRDの立ち上げた。
これまでブラジルには、BRZやBRLAなど5つのレアル連動型ステーブルコインが存在した。BRDもそれらと同様、ブラジルレアルと1対1で連動し、国債を裏付け資産とするデジタル通貨だ。
しかし最大の特徴は、保有者に対して国債から得られる利回りを分配する仕組みにある。現在、ブラジルの政策金利は年15%近くに達している。
海外からの参入障壁を低減
ブラジルは長年、魅力的な金利を提供してきたが、海外からの市場参加には複雑な手続きが必要だった。資本規制や現地での資産保管などが障壁となっていたためだ。
ヴォルポン氏は、UBSやメリルリンチでの経験から、海外投資家の強い需要を感じていたという。BRDはこれらの障壁を取り除き、市場へのアクセスを容易にする。
プロジェクトの資料によると、従来のSWIFTなどのシステムと比較して、国境を越えた取引コストを約70%削減できるとしている。
また、2025年にはブラジルの仮想通貨活動の60%がステーブルコインに関連していた。
こうした市場環境も、BRDの立ち上げにとって追い風となっている。
金融市場の現代化と展望
BRDは、仲介者を必要とする従来の債券運用とは異なり、ブロックチェーン上で24時間365日取引が可能だ。決済もほぼ瞬時に完了する。
ヴォルポン氏は、このプロジェクトをブラジルの金融市場を現代化するための重要なステップと位置づけている。
ブラジル証券取引所(B3)も2026年第1四半期末までに独自のステーブルコインを計画している。
BRDの普及は、ブラジル国債の投資家層を広げることにもつながる。
これにより、政府の調達コストが低下する効果も期待されている。
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