キャシー・ウッドCEOは、ビットコインをハッキングされたことのない唯一のL1と評価し、イーサリアムよりも選好する考えを再表明した。
アーク・インベスト社のキャシー・ウッドCEOは28日、ビットコイン(BTC)をイーサリアム(ETH)より選好する考えを改めて表明した。
同氏は、ビットコインがルールに基づいたグローバルな金融システムであり、ハッキングされたことのない唯一のレイヤー1ブロックチェーンである点を強調した。
ビットコイン選好の理由とイーサリアムへの懸念
ウッド氏は、ビットコインについて「ハッキングされたことのない唯一のレイヤー1ブロックチェーン」であると述べ、そのセキュリティ実績が暗号資産(仮想通貨)エコシステム内で信頼を確立する上で重要な差別化要因だと強調した。
2,100万枚という供給上限や分散型のガバナンス構造を挙げ、インフレや経済不安に対する効果的なヘッジ手段であるとの見解を示した。
一方、イーサリアムについては、現在の分散型金融(DeFi)アプリケーションを支える役割を認めつつも、その長期的な地位に懸念を表明した。
特に、スケーリング問題や高い取引手数料に対処するレイヤー2ソリューションとの競争が激化しており、これがイーサリアムのグローバルな金融基盤としての機能を制限する可能性があると指摘した。
規制と市場動向が与える影響
ウッド氏の分析には、2025年9月28日時点で顕著ないくつかの要因が影響している。同氏は、2025年のETF承認後の規制の明確化が、ビットコインに約50億ドルの機関投資家資金の流入をもたらしたと指摘した。
この資金流入は、イーサリアムの成長を大幅に上回っている。
この規制の枠組みは、ビットコインがマクロ資産として採用されるための、より安定した環境を生み出したとウッド氏は説明する。
対照的に、イーサリアムは不確実なステーキングメカニズムと規制上のハードルに直面しており、機関投資家による採用への道が複雑化している。
このような背景から、ウッド氏はビットコインを優先する姿勢を崩していない。
しかし、ビットマイン株の購入を通じてイーサリアムのエコシステムへのエクスポージャーを増やしたことも明らかにし、イーサリアムの将来性に対して慎重ながらも戦略的な関与を示した。
「二重支配」の可能性と将来展望
ウッド氏の発言は市場で大きな議論を呼び、成熟しつつあるデジタル資産エコシステムにおける両仮想通貨の役割を認める洗練された戦略が明らかになった。
同氏は、ビットコインがデジタルゴールドとしての価値保存手段であるという中心的な信念を維持しつつ、ビットマイン株の購入は完全な方針転換ではなく計算された動きであると説明した。
将来的には、ビットコインが世界の主要な分散型価値保存手段および準備資産としての地位を固め、イーサリアムが分散型アプリケーション、スマートコントラクト、現実世界資産のトークン化に不可欠な基盤となる「二重支配」のシナリオを提示した。
これは、両仮想通貨が異なる領域で補完的に共存する可能性を示唆している。
この発言は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が広がる中で行われた。
ギャラクシー・デジタルのマイク・ノボグラッツ氏は、FRBによる積極的な金融緩和がビットコイン価格を20万ドルまで押し上げる可能性があると示唆しており、市場の期待が高まっている。
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