米CFTCがCMEやコインベースなどでのレバレッジ現物取引を早ければ来月にも開始検討。機関投資家の参入拡大を見込む。
米商品先物取引委員会(CFTC)のキャロライン・ファム委員長代行は7日、レバレッジをかけた現物暗号資産(仮想通貨)商品の立ち上げに向けて、複数の登録済み取引所と協力していることを明かした。実現すれば、早ければ来月にも取引が開始される見込みだ。
この計画には、CMEグループやシーボー、ICE、コインベース・デリバティブなどの主要な金融プラットフォームが関与している。この取り組みは、商品取引所法の規定に基づいており、同法はレバレッジや証拠金、融資を伴う個人向けの商品取引を規制された取引所で行うよう義務付けている。
トランプ政権の追い風と機関投資家の需要
この規制イニシアチブの背景には、複数の要因がある。トランプ政権は米国の仮想通貨分野におけるリーダーシップ確立を優先事項としており、ファム氏も「トランプ大統領の強力なリーダーシップの下、CFTCは連邦レベルでのデジタル資産の即時取引実現に向けて全速力で前進している」と述べている。
市場データによると、2025年第3四半期の仮想通貨デリバティブ取引高は9000億ドル以上に達した。特にイーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)の先物が急増しており、機関投資家による仮想通貨の採用拡大を示している。
また、バイナンスやBybitなど米国外の仮想通貨取引所との規制競争も重要だ。これまで米国の機関は、これら海外の仮想通貨取引所にレバレッジをかけた取引を求めてきた。
今回のCFTCの取り組みは、この資本を国内の取引所に還流させ、透明性を高め、カウンターパーティーリスクを低減することを目的としている。
既存法規の活用と省庁間の連携
今回の動きは、新たな議会立法を待たずに、既存の権限を戦略的に解釈する形で行われている。ファム氏は、現在の商品取引所法の枠組みの下で「CFTCにはこのような形で市場にアプローチする十分な法的権限がある」と主張している。
同氏が主導するこの包括的な規制の枠組みは、同委員会のクリプト・スプリントの一環だ。CFTCは2025年8月にこの構想を発表し、利害関係者からの意見公募期間を設けた。多くの支持的な意見が寄せられたという。
規制当局間の連携も進んでいる。ファム氏は「CFTCはSECのプロジェクト・クリプトと協力している」と述べ、来年初頭にはステーブルコインをトークン化担保として認める計画も進められている。このような規制整備は、投資家が安心して仮想通貨投資を行える環境を整えるものだ。
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