ステーブルコイン取引量が2035年までに719兆ドルに達すると予測された。若年層への富の移転や決済インフラとしての普及が成長牽引。
ブロックチェーン分析企業のChainalysisは8日、ステーブルコインの将来的な取引量に関する新たな予測レポートを公開した。
レポートによると、実体経済におけるステーブルコインの取引量は、2035年までに719兆ドルへ成長する可能性があるという。
2025年時点の28兆ドルから大幅な拡大を見込む。過去数年間で年平均133%という驚異的な成長を記録している。
ステーブルコイン取引量が急増する背景
この予測は、ボットによる自動取引などを除外した、実際の決済や送金に基づくデータに基づいている。マクロ経済の追い風があれば、上限は1500兆ドルに達すると分析している。
成長の主な要因として、2028年から本格化する世代間の富の移転が挙げられる。ベビーブーマー世代からミレニアル世代やZ世代へ、推定100兆ドルの資産が引き継がれる見通しだ。
若年層は暗号資産(仮想通貨)の利用に積極的であり、日常的な決済手段としてステーブルコインの普及を後押しすると考えられる。
調査では若い世代の半数近くが仮想通貨を保有した経験があり、新たな金融インフラへの抵抗感が少ないことがうかがえる。
Visaなどのネットワークと同水準に
ステーブルコインの決済処理量は、2031年から2039年の間にVisaなどの伝統的なネットワークと同水準に達すると予測されている。
現在、これらのオフチェーン決済量は年間約22兆ドル規模だ。店舗での支払いにステーブルコインが標準的に使われるようになれば、2035年までに年間232兆ドルの取引が追加される見込みだ。
24時間いつでも低コストで即時決済できる利点が、普及を加速させる。
さらに、米国の規制整備が進む中で、大手決済企業もブロックチェーン技術の統合を進めている。StripeやMastercardといった企業が、新たな決済基盤の構築に動いている。
このような変化は、既存の金融システムに大きな影響を与える可能性がある。国境を越えた送金や企業間決済において、仲介者を減らしコストを削減するステーブルコインの役割は、今後さらに重要になるだろう。
上限シナリオが実現すれば、現在の世界のクロスボーダー決済額を上回る規模となる。
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