中国国務院は、グリーン電力証書の認証にブロックチェーン技術を導入する計画を発表。電力市場の透明性を高め脱炭素化を推進する狙い。
中国国務院は11日、グリーン電力の生産と消費の全過程における認証にブロックチェーン技術を統合する計画を発表した。
今回の取り組みは、デジタルインフラを強化した統一的な国家電力市場の創設を目指すものだ。
現在のシステムにおける不正や再生可能エネルギー証書の二重計上といった課題に対処する。
不正防止と市場の透明性向上
グリーン電力証書は、電力が太陽光や風力などの再生可能エネルギー源から生成されたことを証明するデジタル記録だ。
新たな枠組みの下では、これらの証書はブロックチェーンによって追跡可能となる。
ブロックチェーンの改ざん不可能な台帳システムを活用することで、発電から消費までの正確な追跡が可能になる。
これにより、証書の二重計上や不正利用といった長年の課題が解決される見込みだ。
信頼性は金融資産としての証書にとって不可欠な要素だ。ブロックチェーンによるデジタル台帳の導入は、市場の信頼性を即座に高めることにつながるだろう。
2030年に向けた市場統合と脱炭素
中国は2030年までに完全に統一された国家電力市場を確立することを目指している。総電力消費量の約70%を市場ベースの取引で行う計画だ。
また、グリーン電力証書を国家の炭素排出会計システムに組み込むことも検討されている。これが実現すれば、証書市場と企業の脱炭素コストが直接結びつくことになる。
この動きは、中国の第14次5カ年計画におけるデジタル経済の発展目標とも合致している。高度な技術を活用して、2030年のカーボンピークアウトという目標を支援する姿勢だ。
暗号資産規制との明確な区別
今回の政策は、国家インフラへのブロックチェーン活用を政府が強く支持していることを示している。しかし、これは中国における暗号資産(仮想通貨)市場の再開を示唆するものではない。
中国政府は、ブロックチェーンの戦略的な産業利用と、投機的な仮想通貨取引を明確に区別している。仮想通貨の取引やマイニングに対する厳しい規制は維持されたままだ。
かつて世界最大のシェアを誇ったビットコイン(BTC)のマイニング産業も、現在は排除されている。
この技術導入が成功すれば、他国がエネルギー認証や炭素会計にブロックチェーンをどう活用するかにも影響を与える可能性がある。実社会での技術応用の重要なモデルケースとなるだろう。
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