中国主導のmBridge取引額550億ドル突破、デジタル人民元が9割超

中国主導のCBDCプラットフォーム「mBridge」の取引額が550億ドルを突破。決済の約95%をデジタル人民元が占めている。

崎野 真一 By 崎野 真一 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
中国主導のmBridge取引額550億ドル突破、デジタル人民元が9割超

Key Notes

  • mBridgeの取引総額が550億ドルを突破した.
  • 取引の95.3%を中国のデジタル人民元が占め、圧倒的なシェアを持つ.
  • 米国がCBDCを禁止する一方、中国は利息付与などで普及を加速させている.

中国主導のクロスボーダー中央銀行デジタル通貨(CBDC)プラットフォーム「mBridge」は16日、取引総額が550億ドルを突破した。

2022年初頭のパイロット開始時と比べると、取引規模は約2500倍に拡大している。

mBridgeは、国際決済銀行(BIS)イノベーションハブと、中国、香港、タイ、アラブ首長国連邦、サウジアラビアの各中央銀行が共同で推進するプロジェクトだ。

中央銀行デジタル通貨による直接決済を可能にすることで、従来の国際送金網に比べ、迅速かつ効率的なクロスボーダー決済の実現を目指している。

デジタル人民元が取引の9割以上を占める

mBridgeに関する報道では、中国のデジタル人民元(e-CNY)が決済総額の約95.3%を占めている点が際立つ。

これは、同プラットフォームにおいてデジタル人民元が中核的な役割を担っていることを示している。

中国人民銀行は、mBridgeの開発から実装までを主導してきた。

2025年11月末時点で、デジタル人民元は累計34億件超の取引を処理し、取引総額は約16兆7000億元に達している。

この急速な普及は、暗号資産市場全体の構造にも影響を与えており、アルトコイン銘柄を取り巻く環境にも間接的な変化をもたらしている。

さらに、中国人民銀行は2025年末から、デジタル人民元の保有者に対する利息付与を開始すると表明した。

これにより、デジタル人民元は決済手段にとどまらず、金融システムに組み込まれた資産としての位置付けを強めている。

ドル依存脱却への動きと米国の対照的な姿勢

mBridgeの拡大の背景には、ドル中心の国際決済体制からの脱却を見据えた中国の戦略がある。

アトランティック・カウンシルの専門家は、既存の国際決済システムへの依存を抑えるため、並行して機能する新たな決済レールの構築を狙った動きだと分析している。

一方で、米国は中央銀行デジタル通貨に対して慎重な姿勢を維持している。

ドナルド・トランプ大統領は2025年1月、プライバシー保護や金融システムの安定性への懸念を理由に、連邦機関によるCBDCの発行や支持を禁じる大統領令に署名した。

米国は民間主導のステーブルコインを軸とする方針を採用しており、デジタル通貨を巡る米中の戦略的な方向性の違いが明確になっている。

Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。

アルトコインニュース, ニュース
崎野 真一
Coinspeakerアナリスト 崎野 真一

仮想通貨・ブロックチェーン専門Webライター。2017年より仮想通貨業界に参入。主要通貨の動向分析からDeFi、NFT、Web3などを専門に執筆。英文ホワイトペーパーの解読や海外プロジェクトの技術翻訳など、幅広く活動しています。

Related Articles