米コインベースがインドの仮想通貨取引所CoinDCXに追加出資。企業評価額は24.5億ドルに。インドおよび中東市場への戦略的拡大の一環。
米国の大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの投資部門であるコインベース・ベンチャーズは15日、インドの仮想通貨プラットフォームCoinDCXへの追加投資を公開した。
この出資により、CoinDCXの評価額は24.5億ドルとなる。
この取引は、規制当局の承認と慣習的な完了条件を満たす必要がある。
CoinDCXのスミット・グプタ共同創設者兼CEOは、ソーシャルメディアXへの投稿でこの評価額を認め、出資が完了したことを確認している。
There are 100M+ crypto owners in India and the Middle East. And that’s growing, fast.
We're excited to expand our presence in these regions through a new investment into India's leading exchange, @CoinDCX. pic.twitter.com/4anCrwiK5o
— Coinbase 🛡️ (@coinbase) October 15, 2025
コインベース、インド市場への戦略的拡大を加速
コインベースのシャン・アガーワル最高事業責任者は、公式ブログで今回の出資について言及した。
「この出資は、我々が地域での存在感を高めるための一歩だ。インドとその近隣諸国が、グローバルなオンチェーン経済の未来を形作ると信じている」と同氏は述べている。
同社は14億人を超える人口、モバイルインターネットの普及、1億人を超える仮想通貨ユーザーベースを、この地域への進出を決めた重要な要因として挙げた。
この動きは、インドの仮想通貨市場における規制の不確実性が続く中で行われた。
コインベースにとっては、将来的に規制環境が好転することを見越した戦略的な判断と言える。
また、7月に発生した約4400万ドル相当の資産盗難事件後も、CoinDCXの回復力に信頼を寄せていることを示すものだ。
CoinDCXは当時、ユーザー資金は保護されていると発表し、事件後すぐに引き出しを再開した。
今回の出資は、2025年初頭に流れたコインベースがCoinDCXを割安で買収するとの噂を打ち消す形となった。
CoinDCXの成長と今後の展望
2018年に設立されたCoinDCXは、インドとアラブ首長国連邦で2000万人以上のユーザー基盤を構築している。
2024年後半にはBitOasisを買収し、事業を拡大した。
7月時点で、同社の年間収益は約1億4100万ドル、年間取引高は1650億ドルに上る。
預かり資産は12億ドルに達している。
CoinDCXの企業価値は、2022年4月の資金調達ラウンドでは21.5億ドルと評価されていた。
コインベースは2020年からCoinDCXへの出資を続けており、今回が6度目の主要な取引となる。
CoinDCXは、調達した新たな資金は、新製品の発売、Web3分野への拡大、中東・北アフリカ地域を含む地理的成長、そしてセキュリティインフラの強化に充てられると説明した。
これは、コインベースの積極的な拡大戦略と、イーサリアムの今後など、市場全体の成長を見据えた動きと一致する。
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