CoinSharesの報告によると、10月3日週の暗号資産投資商品への純流入額が過去最高の59.5億ドルに達した。ビットコインが流入を主導した。
欧州のデジタル資産運用会社コインシェアーズは6日、暗号資産(仮想通貨)投資商品への週間純流入額が過去最高の59億5,000万ドルに達したと報告した。
記録的な資金流入と市場の動向
10月3日までの1週間の純流入額は、2025年7月中旬に記録した従来の週間最高額44億ドルを35%上回る水準だ。
この流入により、仮想通貨投資ファンドの運用資産総額(AUM)は業界史上初めて2,500億ドルの大台を突破し、過去最高の2,544億ドルに達した。
流入を主導したのは、ビットコイン(BTC)で36億ドルを集めた。
また、イーサリアム(ETH)も好調で、14億8,000万ドルの流入を記録した。
これにより、年初来の累計流入額は137億ドルとなり、2024年の同期間と比較して約3倍に増加している。
さらに、ソラナ(SOL)基盤の商品も7億650万ドルの資金を集め、全デジタル資産の中で3番目の流入額となった。
リップル(XRP)の関連ファンドには2億1,940万ドルが流入し、同通貨にとって記録的な週の一つとなった。
市場を動かす複合的な要因
今回の記録的な資金流入は、複数の要因が重なった結果だ。
米国の政府機関閉鎖や弱い雇用統計を受けたマクロ経済の不確実性が、大きな役割を果たした。投資家はこれらの事象を、持続的な流動性供給と金融緩和への転換を促す材料と解釈したようだ。
コインシェアーズのジェームス・バターフィルリサーチ責任者は、「米連邦公開市場委員会(FOMC)による最近の利下げへの遅延反応と、政府機関閉鎖後の政府の安定性に対する投資家の不安の高まりが重なった」と指摘する。
さらに、週末にビットコインが12万5,000ドルを超え、史上最高値を更新したことも市場心理を押し上げた。
この動きは追加の機関投資家を呼び込む好循環を生み出している。
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