デジタル資産投資商品の資金流入額が過去最高の19億ドルを記録。米SECによる規制明確化やナスダックの動きが、信頼を高めたとみられる。
デジタル資産投資商品は15日、先週の週間資金流入額が過去最高の19億ドル(約2,812億円)に達した。
この記録的な資金流入は、米国における規制の明確化が進んだことを背景に、機関投資家の信頼感が高まったことを示すもので、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)への資金流入が特に顕著だった。
米国規制明確化が追い風に、ビットコインとイーサリアム資金流入の背景
今回の記録的な資金流入の背景には、9月初旬に相次いで発表された米国の規制当局による前向きな動きがある。
米証券取引委員会(SEC)は4日、2025年春の規制アジェンダを発表し、イノベーション支援に向けた新たな規則案を提示した。
特に、暗号資産(仮想通貨)の規制枠組みを明確化する計画が盛り込まれたことが注目される。
さらに、5日にはSECのポール・アトキンス委員長と米商品先物取引委員会(CFTC)のキャロライン・ファム委員長代行が共同声明を発表。
両機関がデジタル資産規制において協調的なアプローチを取ることを明らかにし、規制の調和や報告基準の合理化を進める方針を示した。
これらの動きは、これまで市場の不確実性の要因となっていた規制の重複や隙間を解消し、より健全な市場環境を整備することを目的としている。
ナスダックもデジタル資産を統合、機関投資家参入の兆し
市場の信頼感をさらに高めたのが、ナスダックの動きだ。
同社は8日、株式や上場取引型金融商品(ETP)をトークン化された形式で取引可能にするための規則変更をSECに申請した。
この動きは、伝統的な金融市場がデジタル資産技術を本格的に統合し始めたことを示しており、機関投資家にとって追い風となった。
SECのアジェンダでは、代替取引システム(ATS)や証券取引所における仮想通貨取引に関する規則改正、さらには分散型金融(DeFi)プロトコルに対するセーフハーバー(免責条項)の検討も言及されている。
これらの規制明確化の発表直後に記録的な資金流入が観測されたことから、両者の間には強い因果関係があるとみられる。
今回の動向は、仮想通貨市場における機関投資家の持続的な採用サイクルの始まりである可能性があり、今後のビットコインの展開にも大きな影響を与えるだろう。
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