
Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。
韓国の暗号資産(仮想通貨)フィンテック企業Dunamuは12日、ベトナムの大手銀行MBバンクと提携し、同国初となる国内開発の取引所を設立する方針を明らかにした。
Dunamuは韓国最大の仮想通貨取引所Upbit(アップビット)を運営しており、同取引所は韓国国内で約65%の市場シェアを持つ。今回の提携は、ソウルで開催された韓越ビジネスフォーラムで正式に合意された。
新取引所は、2025年6月に成立したデジタル技術産業法に基づく規制枠組みのもとで運営される予定だ。この法律は2026年1月に施行され、仮想通貨を正式に認めるとともに、取引所運営の法的基盤を整備する。
MBバンクはベトナム国防省傘下の国有金融機関で、総資産は約500億ドルに達し、国内4大銀行の一つに数えられる。
Dunamuは技術インフラやコンプライアンスのノウハウ、人材育成を提供し、MBバンクは規制対応や現地運営を担う。両社はアップビットの成功モデルを活用し、利用者保護を重視した安全な海外仮想通貨取引所を構築する方針だ。
今回の取り組みは、ベトナム政府によるデジタル経済推進策の一環でもある。同国はすでに延べ2000万人以上が仮想通貨を利用しているが、これまで正式な国内取引所は存在していなかった。
新たな取引所は、信頼性のある金融基盤のもとで市場を拡大し、国際的な金融規制機関への信頼向上にもつながると期待されている。
Dunamuのオ・ギョンスクCEOは「単なる取引所ではなく、信頼に基づく国家的なデジタル金融インフラ全体を構築する」と述べ、プロジェクトの戦略的重要性を強調した。また、ベトナム政府は複数の取引所の設置を認める方針で、国際金融センターでの運営試験も検討されている。
Dunamuにとって今回の提携は、韓国国内での成長を背景に国際市場へ展開する戦略の一環だ。同社は2024年に前年比70.5%増の約12億5000万ドルの売上を記録しており、今後も海外での事業拡大が成長維持に不可欠とされる。ベトナム市場はその第一歩として位置づけられている。
新取引所は国内外のブロックチェーン人材育成にも資する計画であり、東南アジア全体のデジタル金融エコシステムの発展モデルとなる可能性がある。業界アナリストは、この事例が新興市場における越境フィンテック協力の先例になると評価している。
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Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。