
Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。
イーサリアム(ETH)のヴィタリック・ブテリン創設者とアンダース・エロフソン開発者は5日、取引手数料の仕組みを統一する新たな提案であるEIP-7999を公表した。
この提案は、イーサリアムの手数料体系の複雑さを解消することを目的としている。ユーザーは今後、コンピューティングやストレージなど複数のリソースに対して、単一の最大手数料を設定できるようになる。
現在のイーサリアムでは、ガスリミットやストレージコストを個別に管理する必要があり、設定ミスや非効率な資金配分が発生しやすい。DeFiやNFTなどの複雑な取引では特に問題が顕著だった。
EIP-7999は、これらの課題を解決するため、統一された多次元手数料市場の創設を目指す。利用者は単一の上限額を指定するだけで済むため、取引の承認プロセスが大幅に簡素化される。
これにより、複雑な操作に必要なコストを過小または過大に見積もるリスクが減少し、資本効率と全体的なユーザー体験の向上が期待される。
イーサリアムネットワーク上でのアプリケーション開発や利用が、より直感的で身近なものになる可能性がある。
イーサリアムはこれまで、ネットワークの混雑時に手数料が高騰する問題に度々直面してきた。2017年のICOブームや2021年のDeFi・NFTブームでは、平均手数料が50ドルを超える事態も発生した。
2021年8月のEIP-1559や2024年3月のDencunアップグレードにより、手数料の安定化と削減が進められてきた。EIP-7999は、これらの改善を土台に、コスト管理をさらに洗練させる試みだ。
この提案には、需要に応じて基本手数料がブロックごとに自動で調整される仕組みも含まれている。
ブテリン氏が掲げる2030年までのイーサリアム簡素化という長期的なロードマップとも一致しており、スケーラビリティと使いやすさを追求する姿勢が伺える。
提案の発表後、市場は慎重ながらも楽観的な反応を示した。
ETHの価格は一時的に2.4%下落したが、アナリストらはこうしたプロトコルのアップグレードが長期的な回復の原動力になると指摘している。このような動向は、仮想通貨投資の判断材料としても注目されるところだ。
Disclaimer: Coinspeakerは公平で透明性の高い報道に努めています。この記事は正確かつタイムリーな情報提供を目的としていますが、投資助言ではありません。市場状況は急速に変化するため、投資判断の前に情報確認と専門家への相談を強く推奨します。
Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。