資産運用大手フランクリン・テンプルトンが、自社のトークン化プラットフォームをBNBチェーンに統合。RWA分野での競争が激化。
1兆6,000億ドルの運用資産を誇る米国の資産運用大手のフランクリン・テンプルトンは24日、自社のトークン化プラットフォームをBNBチェーンに統合した。
今回の統合により、同社のBenjiテクノロジープラットフォームがBNBチェーンに対応する。
同プラットフォームは、伝統的な金融商品をブロックチェーン上で扱うために設計されたもので、フランクリン・テンプルトンのオンチェーン米国政府ファンドの株式をBENJIトークンとして表現できる。
フランクリン・テンプルトンのロジャー・ベイストンデジタル資産責任者は、「フランクリン・テンプルトンとBNBチェーンは協力し、世界中の個人および機関投資家向けに、より高い実用性と強化された機能を備えたトークン化資産を提供する」と述べた。
BENJIトークンは、これまでイーサリアム(ETH)、アバランチ(AVAX)、ステラ(XLM)、ポリゴン(MATIC)の各ブロックチェーンで利用可能だった。
現在、同プラットフォームは約7億3,200万ドルの資産を管理している。
🔓New chain unlocked. The Benji Technology Platform is now live and integrated on @BNBCHAIN! pic.twitter.com/xpZvAisPMo
— Franklin Templeton Digital Assets (@FTDA_US) September 24, 2025
BNBチェーン選択の背景と市場競争
今回の統合は、現実資産(RWA)のトークン化分野において、BNBチェーンが機関投資家から重要な支持を得たことを意味する。
これにより、BNBチェーンは他のブロックチェーンネットワークとの競争で有利な立場を築くことになる。
フランクリン・テンプルトンがBNBチェーンを選択した背景には、高速な決済能力、低い取引手数料、そして機関投資家の要求を満たすコンプライアンスに対応したデータインフラがある。
RWAトークン化への関心が高まる中、ブロックチェーン間の競争は激化している。
現在、ソラナ(SOL)がブラックロックのBUIDLファンドなどに牽引され、約6億7,000万ドルのトークン化資産で市場をリードしている。
この発表は、BNBの価格が2025年9月21日に過去最高の1,080ドルを超え、1,000ドル以上を維持している中で行われた。
これはBNBエコシステムに対する市場の強い信頼感を示している。
バイナンスとの提携も進める
この動きは、フランクリン・テンプルトンが推進する広範なデジタル資産戦略の一環だ。
同社は2025年初頭に発表したバイナンスとの戦略的提携に基づき、複数のトークン化商品の開発を進めている。
BNBチェーンの公式X(旧Twitter)アカウントもこの統合を認め、「RWAはBNBチェーンにその居場所を見つけつつある。1兆6,000億ドルの運用資産を持つフランクリン・テンプルトンが、Benjiテクノロジープラットフォームを我々のエコシステムに拡大する」と投稿した。
フランクリン・テンプルトンのアプローチは、既存の金融規制を遵守しながらブロックチェーンを活用するハイブリッドモデルを特徴とする。
この開発は、伝統的な金融機関が理論的な議論から実用的なデジタル資産ソリューションへと移行し、RWAのトークン化を加速させるトレンドを裏付けるものだ。
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