ナスダック上場のソネットがハイパーリキッド・ストラテジーズとの合併。新会社はHYPEトークンを保有企業として3日から取引開始する。
バイオテクノロジー企業ソネット・バイオセラピューティクス・ホールディングスは2日、ハイパーリキッド・ストラテジーズとの合併案が株主総会で可決されたと発表した。
この合併により、同社はハイパーリキッド・ストラテジーズおよびロールシャッハ I と統合され、HYPEトークンを保有する財務会社として運営される。
新会社はハイパーリキッド・ストラテジーズ(HSI)として運営され、ティッカーシンボルPURRで3日からナスダック・キャピタル・マーケットでの取引を開始する予定だ。
公式発表によると、新会社は合計8億8800万ドルの資産を保有することになる。その内訳は、5億8300万ドル相当のHYPEトークンと、3億500万ドルの現金だ。
合併の詳細と新体制への移行
合併の条件として、株式交換比率は5対1に設定された。ソネットの株主は、保有する株式5株につきHSIの普通株であるPURR1株を受け取る。さらに、条件付き価額請求権も1株につき1個付与されることが決まっている。
この構造はナスダックの企業行動アラートでも詳細が確認されており、合併に向けた具体的なパラメータが確定している。
ソネットはこれまで免疫腫瘍学の治療法開発に注力してきた企業だが、今後は新会社の完全子会社として事業を継続する。既存の利害関係者にとっては、バイオテクノロジー事業の継続性が保たれる形となった。
経営陣にはCEOとしてデビッド・シャミス氏が就任し、元バークレイズCEOのボブ・ダイアモンド氏が会長を務める。その他、ジェフ・チューダー氏やエリック・ローゼングレン氏など7名の取締役が名を連ねる。
投資会社のアトラス・マーチャント・キャピタルやパラダイム・オペレーションズといった主要プレイヤーの参加も、株主承認を得る上で重要な役割を果たした。
戦略的意義と市場への影響
今回の戦略的転換は、従来のバイオテクノロジー分野での資金調達環境が厳しさを増していることが背景にある。一方で、暗号資産(仮想通貨)に対する機関投資家の関心は高まりを見せている。
ダイアモンド会長は、今回の取引により米国の株式投資家がHYPEトークンへのエクスポージャーを得られるようになると強調した。
同社は10月に米国証券取引委員会に対し、最大10億ドルの資金調達を行う意向を通知していた。この資金は仮想通貨保有の拡大や企業活動の支援に充てられ、以前の遅延の一因とされた流動性の懸念に対処するものだ。
規制面への配慮もなされており、上場企業としての要件とデジタル資産保有のバランスを慎重に設計している。この取り組みは、DEXとの連携を強化する重要な一歩となる。
新会社はハイパーリキッドのエコシステムにおける主要なステークホルダーとして位置づけられる。大量のHYPEトークンを保有することで、分散型プラットフォーム上のガバナンス決定に影響を与える可能性もある。
株式市場では、HSIの株式が流動性の高い上場銘柄として取引され、仮想通貨投資の新たな機会を提供することになる。
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