JBAの会計分科会が暗号資産等の会計処理に関する実務ガイダンス公開。ステーキングやステーブルコイン決済など取引類型の仕訳例を提供。
一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)の会計分科会は25日、「暗号資産等の会計処理に関する実務ガイダンス」を公開した。
会計処理の不明確さが背景に
暗号資産(仮想通貨)を保有・活用する企業が増える一方、会計処理の実務では不明確な点が多く残されてきた。
既存の実務対応報告(第38号・第45号)ではカバーしきれない取引類型が増加しており、現場での対応に課題が生じていた。
特に、取引所やアグリゲーターによって価格が異なる仮想通貨の時価評価では、どの価格を採用するかの判断が難しい。
ステーブルコイン決済といった新しい取引形態の普及も、従来の会計基準では対応しきれない論点を生み出している。
こうした状況を受け、JBAの会計分科会は日本の会計基準と実務慣行を前提に、実務者が参照できるガイダンスの整備に取り組んだ。
ガイダンスの主な内容
今回公開されたガイダンスは、資金決済法上の仮想通貨や電子決済手段(ステーブルコイン等)に関する取引を対象としている。
具体的には、ステーブルコインや仮想通貨による決済、仮想通貨同士の交換、交換業者への預入れ・引出し、ステーキング・リキッドステーキング、時価評価、ウォレット間振替、ブリッジ取引などが含まれる。
各取引について仕訳例やケーススタディが示されており、実務担当者が具体的な処理を検討する際の参考として活用できる。
勘定科目の設定については、小規模企業向けにはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などシンボル別に管理するパターン、中・大規模企業向けには総勘定に補助科目や外部台帳を組み合わせるパターンが提案されている。
また、活発市場の判断基準として、流動性・価格ソースの多様性・データの連続性といった観点が示されている。企業は実態に基づいて勘定科目を設定することが求められる。
利用上の注意点と今後の展開
JBAはガイダンスについて、法的・税務上の助言ではないと明示している。あくまで実務上の参考資料であり、利用結果についてJBAは責任を負わない。
個別の会計処理については、監査法人との協議を推奨している。
なお、ガイダンスはASBJ(企業会計基準委員会)の基準を代替するものではない点にも注意が必要だ。
実務の進展に応じて内容を改訂する予定としており、JBAは業界関係者に対して論点の共有を呼びかけている。詳細は公式PDFで確認できる。
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