JPモルガンはイーサリアムFusakaの手数料削減とネットワーク活性化を評価する一方、競合チェーンが回復の足かせになる可能性を指摘。
米金融大手JPモルガンは22日、イーサリアム(ETH)の大型アップグレード「Fusaka」に関する分析レポートを公表した。
レポートでは、同アップグレードがネットワークの手数料削減とトランザクション増加に寄与している一方で、競合するレイヤー2ネットワークやブロックチェーンプラットフォームによる市場シェア争いが続いており、回復の持続性には慎重な見方を示している。
手数料削減とネットワーク活性化を確認
JPモルガンによると、2025年12月から段階的に実施されたFusakaは、「The Merge」以来の重要な変革で、スケーラビリティとコスト効率向上を目的とした12の改善提案(EIP)が含まれる。
特に「PeerDAS」の実装により、ノードはデータセット全体ではなく一部を検証可能になり、バリデーターの帯域幅要件が大幅に軽減された。
また、ブロックのガスリミットは約3倍に拡大し、処理能力は毎秒40〜60トランザクションに向上した。
同時に、トランザクションごとのガス上限を設定するEIP-7825も導入され、レイヤー2ネットワークの手数料は最大90%低下、平均取引コストは1セント(約1.6円)未満となる可能性がある。
競合チェーンとのシェア争いが課題
一方で、JPモルガンはイーサリアムの回復が持続可能かどうかについて慎重な見方を示している。
同行は、イーサリアムがスケーリングの課題に取り組んでいる間に、代替となるレイヤー2ソリューションや競合するブロックチェーンプラットフォームが市場シェアを拡大してきた点を指摘する。
ソラナ(SOL)などの高性能な競合チェーンは、独自の強固な開発者コミュニティとユーザー基盤を確立しており、イーサリアムにとって脅威となっている。
Fusakaでは生体認証を使ったトランザクション署名などユーザー体験の改善も図られたが、失われたシェアを取り戻すには不十分な可能性がある。
JPモルガンは、イーサリアムの今後の勢いは技術改善だけでなく、マルチチェーン環境で開発者とユーザーを維持できるかにかかっていると結論付けている。
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