日本円ステーブルコインJPYC、発行から18日で2億円を達成

JPYCが発行額2億円を突破し、保有者は3万人超に。複数チェーンでの流通拡大が進み、日本円ステーブルコインとして存在感を高めている。

星 瑞希 By 星 瑞希 黒川 理佐 Editor 黒川 理佐 Updated 1 min read
日本円ステーブルコインJPYC、発行から18日で2億円を達成

Key Notes

  • JPYC株式会社が発行する日本円ステーブルコインのJPYCが、発行開始から約18日で累計発行額2億円を突破した.
  • 急成長の背景には、大規模なキャンペーンやポリゴンチェーンを中心としたエコシステムの活用がある.
  • 同社は今後3年間で10兆円規模の発行を目指し、企業連携やリアル決済への拡大を進める計画だ.

JPYC株式会社は13日、日本円建ステーブルコイン、JPYCの累計発行額が2億円を突破したと発表した。10月27日の正式発行開始から約18日間での達成であり、日本発のステーブルコインとして異例の速さで成長している。

JPYCは、1JPYCが1円の価値に連動する電子決済手段型のステーブルコインだ。金融庁の認可を受けており、発行残高の100%を超える額を日本円の預金や国債で裏付けることで信頼性を担保している。

特に、同社名義で取得した日本国債は日本銀行に預託されており、安全性の高さが評価されている。

現在はイーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)、アバランチ(AVAX)の3つのブロックチェーン上で発行されている。データサイトのJPYC情報確認くんによると、14日時点で合計2億770万JPYCが発行された。

11月2日に発行額1億円を突破してから、わずか12日間でさらに1億円を上乗せした計算になる。

キャンペーンとエコシステムが成長を牽引

JPYCの急成長を後押ししたのは、プラットフォームの拡大と大規模なキャンペーン施策である。発行・償還サービスのJPYC EXは、開始から10日で口座開設数が6000件を超え、ユーザー基盤を急速に固めた。

さらに、国内Web3インフラ企業のHashPort社が実施した、JPYC1億円あげちゃうキャンペーンが大きな起爆剤となった。

この施策では、参加者にポリゴンチェーン上で200円相当のJPYCが配布され、新規ユーザーが急増した。この結果、日本円連動型ステーブルコインの保有者数が1日で約6.6倍に拡大したと報告されている。

取引の約98%がポリゴンチェーンで行われている点も特徴的だ。これは、分散型取引所(DEX)のQuickSwapをはじめとする、ポリゴン上のDeFiインフラが成熟していたことが要因とみられる。

特定のブロックチェーン上でのエコシステムの発展が、JPYCの利用を促進していることが分かる。

10兆円発行を目指す今後の展望

現在、JPYCの保有者数は約3万1000人に達しており、日次のホルダー数も1万6000人を超える日があった。JPYC株式会社の岡部典孝CEOは、同コインを次世代の通貨ソリューションと位置付けている。

同社は今後の戦略として、企業連携の強化や実店舗での決済導入を拡大する方針だ。また、米サークル社のオンチェーンFX基盤であるStableFXとの連携も視野に入れている。

将来的には、今後3年間で累計10兆円規模のJPYC発行を目指すという壮大な計画を掲げている。

国内ITサービス大手のTIS株式会社とのステーブルコイン決済支援サービスへの組み込みも決定しており、企業連携は着実に進んでいる。

JPYC株式会社は、本格的なステーブルコイン時代の到来を背景に、日本発のブロックチェーンエコシステム構築に注力していく構えだ。

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星 瑞希

2020年よりブロックチェーン領域への投資をスタート。現在は「Coin Speaker」にて専属ライター兼暗号資産アナリストとして活動中。

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