米ジャンプ・トレーディングが予測市場のカルシとポリマーケットに対し、流動性提供の見返りに株式を取得する契約を結んだと報じられた。
米プロップ取引会社のJump Tradingは9日、予測市場プラットフォームのカルシおよびポリーマーケットの株式を取得する契約を結ぶ見通しだと報じられた。
流動性提供と引き換えに株式取得
報道によると、今回の契約は現金を伴わない「流動性と株式の交換」という形式で行われるという。
Jump Tradingは両プラットフォームに対し、市場の流動性を高めるための取引能力を提供。その見返りとして、同社は両社の株式を受け取る仕組みだ。
米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下にあるカルシとの契約では、固定の株式保有枠が設定されているとされる。
一方、ポリマーケットとの契約内容は異なるとみられる。Jumpが同社の米国事業に対して提供する取引能力の規模に応じて、株式の保有比率が変動する仕組みになっているという。
この構造は、直接的な資金提供よりも市場の活性化を優先したものだ。Jumpはマーケットメーカーとして機能し、一般ユーザーの取引相手となることで市場を支える。
予測市場への本格参入
Jump Tradingは、これらの予測市場業務を支援するために20人以上の専任スタッフを配置したという。選挙やスーパーボウルなどの注目イベントで予測市場の人気は高まっている。
しかし、より専門的なニッチ市場では流動性が不足しがちだ。ジャンプのような大手企業が参入することで、こうした課題の解消が期待されている。
カルシの直近の資金調達ラウンドにおける評価額は約110億ドルに達した。また、ポリマーケットの評価額も約90億ドルに近いとされる。
ポリマーケットはブロックチェーン技術を基盤としており、透明性の高い取引環境を提供している。
ユーザーは仮想通貨を使用して、様々なイベントの結果を予測することが可能だ。
この2社だけで予測市場セクターの評価額は約200億ドル規模となる。なお、両プラットフォームおよびジャンプからは、本件に関する公式発表は行われていない。
収益源の多様化と法的背景
今回の動きは、Jump Tradingが従来の株式や債券以外へ収益源を広げようとする戦略の一環とみられる。同社はAIを活用したイベント契約取引への多角化を進めている。
背景には、法的圧力の影響も指摘されている。同社はテラUSD(TerraUSD)の崩壊に関連し、破産したテラフォームラボから40億ドル規模の訴訟を受けている。
テラUSDはかつて人気の高いステーブルコインであったが、その崩壊は規制強化の引き金となった。
一方で、機関投資家が「胴元」のような役割で参入することは、予測市場のあり方に変化をもたらす可能性もある。
従来のような個人間(P2P)取引の側面が薄れ、プロの投資家がリスクを引き受けるモデルへと移行しつつあるからだ。市場の健全性に対する規制当局の監視も強まる可能性がある。
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