ソラナ大手Jupiterが新レンディング「Lend」β版を公開。高LTVと独自清算エンジンを特徴とし、JUPも担保として利用できる。
ソラナ(SOL)基盤の大手分散型取引所(DEX)アグリゲーターJupiterは27日、新たなレンディングサービスJupiter Lendのパブリックベータ版を公開した。
8月5日から開始されたプライベートベータテストを経て、今回の公開に至った。
プラットフォームは数週間にわたるストレステストやセキュリティ監査を受けており、安定コインやラップドビットコイン、流動性ステーキングトークン(LST)など40以上の保管庫(ボルト)を提供する。
発表後には、ネイティブトークンであるJUPが担保として利用可能になったこともあり、価格は6.99%の上昇を見せた。
Jupiter Lend Public Beta is live 🥳
The most advanced money market on Solana has arrived, built with @0xfluid
After weeks of testing, audits, and feedback, we’re launching with 40+ vaults and $2m+ in incentives from Jup, Fluid, and partners.
Here’s what you need to know 🧵 pic.twitter.com/U3HfGyizcc
— Jupiter (🐱, 🐐) (@JupiterExchange) August 27, 2025
Jupiter Lendの革新的な機能
Jupiter Lendは、イーサリアム(ETH)の金融市場で7年の経験を持つチーム0xFluidとの協業により開発された。
異なるブロックチェーンエコシステムのトップチームが統合プロトコルを構築する初の事例となり、Jupiterが単なるDEXからソラナ上の包括的なDeFiハブへと進化する重要な一歩となる。
特筆すべきは、同サービスが業界標準の約75%を大幅に上回る95%という高いローン対価値比率(LTV)を設定してある点だ。
これにより、利用者は自身の担保からより多くの流動性を引き出すことが可能になる。
この高LTVを実現しているのが、0xFluidが開発した独自の清算エンジンだ。
このエンジンは、対象となるすべてのポジションを単一のトランザクションで処理することで、システムリスクを低減し、不良債権の可能性を最小限に抑える。
利用者にとっては、従来のレンディングプロトコルと比較して清算ペナルティが100分の1に抑えられるという利点もある。
また、資金をプールする伝統的なモデルではなく、リスクを個別の保管庫に限定する分離型ボルト構造を採用。
これにより、市場全体へのリスク伝染を防ぎ、貸し手の資金を保護する仕組みを構築している。
他サービスとの競争激化か
今回のローンチは、ソラナのDeFiインフラ開発が加速する中で行われた。
これまでKamino Lendなどが主導してきたレンディング市場において、競争が激化することが予想される。
Jupiterと0xFluid、さらにエコシステムパートナーが共同で提供する総額200万ドルの奨励金プログラムは、初期の流動性と利用者獲得を後押しするだろう。
ソラナとイーサリアムという異なるエコシステムのチームによる協業は、今後のマルチチェーン開発における先例となる可能性を秘めている。
Jupiterはセキュリティ確保のため、完了済みの2件の監査に加え、現在3件の追加監査を進めている。
将来的にはプラットフォーム全体のオープンソース化も計画しており、透明性の高い運営を目指す。
ベータ期間中は利用者のフィードバックを重視し、継続的な改善を行っていく方針だ。
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