予測市場大手カルシが10億ドルを調達し評価額が110億ドルに倍増。年間取引高は500億ドルへ急成長しており、ポリマーケットと競争激化。
予測市場プラットフォームを運営するカルシは20日、新たな資金調達ラウンドで10億ドルを確保したとことが明らかになった。
これにより、同社の評価額はわずか2カ月で50億ドルから110億ドルへと倍増。急成長する予測市場ビジネスへの期待が反映された格好だ。
今回のラウンドは、ベンチャーキャピタル大手セコイア・キャピタルとグーグル傘下の成長投資部門CapitalGが主導。
さらに、シリコンバレーを代表するベンチャー投資会社アンドリーセン・ホロウィッツや、Web3領域への投資で知られるパラダイムも参加している。
カルシは、経済指標やイベントの結果に賭けることができるユニークな予測市場プラットフォームとして注目されており、今回の大型資金調達により事業拡大と流動性強化が期待される。
急成長する取引高と市場競争
カルシの成長スピードは著しく、年間取引高は前年の約3億ドルから500億ドルへと爆発的に増加した。
同社は現在、世界140カ国以上でイベント契約を提供しており、ユーザーは現実世界の結果に対して規制された環境下で取引を行うことができる。
予測市場業界では競争が激化しており、ライバルのポリマーケットも最近10億ドル規模の調達を完了し、評価額は120億ドルから150億ドルを目指しているとされる。
こうした市場では、新しい仮想通貨の動向も頻繁に取引の対象となる。
カルシは米国の規制遵守を重視することで、分散型ブロックチェーンのアプローチをとる競合他社との差別化を図り、機関投資家からの支持を集めている。
しかし、ブロックチェーン技術を基盤とする分散型市場の影響力も無視できない。
規制の壁と今後の展開
今回の大型資金調達を受け、事業拡大への期待は高まる一方で、規制面での課題も残っている。マサチューセッツ州などで訴訟や法的懸念が浮上しており、各州の規制当局との調整が続いている。
それでも経営陣は強気な姿勢を崩さず、今回の資金を基に、真に統一された予測市場の構築に向けた世界展開を加速させる方針だ。
カルシの暗号資産(仮想通貨)部門責任者であるジョン・ワン氏は、来年中に主要なブロックチェーンアプリケーションや取引所との統合を計画していると述べている。
法的枠組みの整備は追いついていない部分もあるが、イベントベースの取引が金融商品として認知されつつある中、仮想通貨の今後を占う分野としても市場の関心は高まり続けている。
投資家の間では、予測市場のデータが仮想通貨の次のバブルを予兆するシグナルになると期待されている。
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