クラーケンが、初期のトークンセールを扱う新プラットフォーム「クラーケン・ローンチ」を開始した。透明性と公正なアクセスを提供する。
暗号資産(仮想通貨)取引所大手のクラーケンは18日、初期のトークンセールを扱う新プラットフォーム「クラーケン・ローンチ」を発表した。
クラーケンの公式発表によると、審査を経た暗号資産(仮想通貨)プロジェクトが同社のグローバルな利用者層にアクセスできる、規制に準拠したトークン販売の場となる。
ICO規制強化と市場の成熟が背景に
クラーケン・ローンチの設立には、仮想通貨エコシステムのいくつかの重要な変化が影響している。
伝統的な金融とICO仮想通貨の融合が加速する中で、オフチェーンで事業を行う企業がオンチェーンでのトークンセールスを通じて資金を調達する事例が増えると予測されている。
クラーケンの決済・ブロックチェーン部門責任者であるブレット・マクレーン氏は、「仮想通貨と伝統的金融の世界は衝突しつつある」と述べ、この流れが加速するとの見方を示した。
また、欧州の暗号資産市場規制(MiCA)のような規制の整備が、より安全でコンプライアンスを順守した市場の土台を築いている点も大きい。
これまでの仮想通貨市場では、個人がトークンを入手できるのは公開市場での取引開始後であり、多くの先行者が機会を得た後になることが多かった。同プラットフォームは、こうした不公平感を解消し、透明性の高いアクセスを提供する。
独自の販売モデルと今後の展望
クラーケン・ローンチは、独自の二重配布モデルを導入している。
各トークンセールの割り当てのうち最大20%は、利用者の活動を評価するメリットベースのシステム「Legionスコア」の保有者向けに予約される。
残りは、本人確認(KYC)を完了した利用者を対象に、先着順で提供される仕組みだ。
プラットフォームの利用には0.5%の購入手数料がかかる。ただし、規制上の複雑さから、米国、カナダ、オーストラリアの利用者は対象外となる。
コンプライアンスや価格設定、流動性管理といった重要な機能はLegionが担当し、伝統的な新規株式公開(IPO)の仕組みを仮想通貨の枠組みで再現している。
トークンセール終了後、プロジェクトは速やかにクラーケンに上場され、二次市場での取引が可能になる。
マクレーン氏は「トークンセールを民主化し、コミュニティと開発者を結びつける」と述べ、次世代の金融インフラを構築するビジョンを強調した。
この動きは、クラーケンが進める機関投資家向けサービス拡大の一環であり、同社は2026年までに10億ドル(約1,480億円)規模のIPOも視野に入れている。
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