仮想通貨取引所クラーケンの親会社ペイワードが、市場環境の悪化を理由にIPO計画を一時停止した。業績は好調で、上場は中止しない。
暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケンの親会社であるペイワードは17日、新規株式公開(IPO)の計画を一時停止した。
市場環境の悪化が上場延期の背景に
ペイワードは2025年11月、米国証券取引委員会(SEC)にIPOの申請書類を非公開で提出していた。
しかし、ビットコイン(BTC)が2025年10月に過去最高値を記録して以降、仮想通貨市場は低迷している。
資産価格の下落や取引量の減少が企業評価額に圧力をかけており、同社は上場プロセスの保留を決定した。
報道によると、IPO計画は中止されたわけではなく、市場環境が改善するまで延期される。
2025年には複数の仮想通貨関連企業がIPOを成功させたが、2026年に入り状況は変化した。
同業のBitGoが上場後に株価を約44%下落させるなど、市場の逆風が強まっている。
投資家の間では、他の仮想通貨関連株への影響も懸念されている。
ペイワードは上場前に8億ドルの資金調達を実施し、企業評価額は約200億ドルに達していた。この調達には、シタデル・セキュリティーズからの2億ドルも含まれている。
堅調な業績を背景に最適な時期を模索
ペイワードの2025年の業績は好調で、調整後収益は前年比33%増の22億ドルを記録した。利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)も5億3,100万ドルに達している。
十分な資金的余裕があるため、同社は不利な時期での上場を避ける戦略的な判断を下した。
2011年に設立されたクラーケンは、450種類以上のデジタル資産や米国先物、株式の取引をサポートしている。
ペイワードのアルジュン・セティ共同CEOは、収益の多様化が進んでいる点を強調した。現在、資産ベースの収益が全体の53%を占めており、価格変動に伴う取引手数料への依存度を低下させている。
同社は、高い企業評価額が期待できる市場環境が整った段階で、IPOプロセスを再開する方針だ。規制に準拠した仮想通貨企業として、適切なタイミングを見極めながら今後の展開に備えている。
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