レイヤーゼロが、ペイパルのステーブルコインPYUSDを9つの新ブロックチェーンに拡大。アプトスやアバランチが含まれる。
クロスチェーン通信プロトコルのLayerZeroは19日、決済大手ペイパルのステーブルコインPYUSDを9つの追加ブロックチェーンに拡大した。
今回の拡大は、これまでのイーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などのネットワークに加え、アプトス(APT)、アバランチ(AVAX)、トロン(TRX)など計9つのチェーンでPYUSDが利用可能になるものだ。
PayPal built the first global digital payment network at the onset of the internet age. In 2023, they were the first major fintech company to launch a stablecoin with PYUSD.
With PYUSD0, PayPal and LayerZero are working to drive greater availability of PYUSD across blockchains. pic.twitter.com/CWOc2CP6sA
— LayerZero (@LayerZero_Core) September 18, 2025
PYUSD0によるシームレスな相互運用性
この統合では、PYUSD0と名付けられたブリッジ版の暗号資産(仮想通貨)が導入された。
PYUSD0は、パクソスが発行するステーブルコインPYUSD、価値移転のインターフェースであるStargate、そしてチェーン間の分配を担うLayerZeroの3要素を組み合わせた統一インフラを指す。
この仕組みにより、PYUSDとPYUSD0は完全に代替可能で、1対1の比率でいつでも交換できる。
利用者はバージョンを区別する必要がなく、サポートされる全てのブロックチェーンで単一の流動性プールが形成される。
この技術は、LayerZeroが買収したStargateの先駆的なHydraモデルを応用している。これにより、中心となるブロックチェーンから複数のチェーンへ資産を拡張する際も、構成可能性と代替可能性が維持される。
グローバル金融市場への布石
今回の動きは、ペイパルにとって、個別に資産を展開する戦略から、ブロックチェーンエコシステム全体で単一の資産を管理する戦略への転換を意味する。
PYUSDの供給量は、2025年初頭の5億2,000万ドルから9月には約13億ドルに急増しており、この拡大はUSDTなどドル連動資産への需要の高まりを捉えたものだ。
LayerZeroラボのブライアン・ペレグリーノCEOは、「PYUSD0はPYUSDの適用範囲と柔軟性を拡大し、現在および未来のネットワークで機能させる」と述べた。
同氏は、この展開が「国境を越え、24時間稼働するグローバルな金融市場の始まり」であるとの見解を示している。
この統合は、アプトスやセイなどの新興チェーンの開発者に対し、ペイパルの信頼性を背景とした主要なステーブルコインを提供する。
2023年のローンチ以来、PYUSDは急速に成長しており、今回の拡大はそのビジョン実現に向けた大きな一歩となる。
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