自民党はAIとブロックチェーンを活用した次世代金融インフラの政策提案を了承した。円建てステーブルコインやトークン化預金を推進し、24時間稼働の金融システム構築を目指す。
自由民主党は19日、AIとブロックチェーンを活用した次世代金融インフラの構築に関する政策提案を了承した。
この提案は、党のデジタル社会推進本部のもとに設置されたプロジェクトチームが策定したものだ。
ステーブルコインやトークン化された預金を基盤とする「オンチェーン金融」を、日本の新たな成長分野として位置づけている。
決済や融資、資産運用が自動化され、24時間365日稼働する金融システムの構築を目指す。
円建てステーブルコインとトークン化預金の推進
政策の柱となるのは、トークン化預金と円建てステーブルコインの拡大だ。自民党は日本銀行に対し、ホールセール型の中央銀行デジタル通貨を含む論点整理を年末までに公表するよう求めている。
また、ステーブルコインを給与支払いや納税に利用できるよう、法的な位置づけを明確にすることも促している。
さらに、国内の3メガバンクが共同で円建てステーブルコインを発行することを推奨。翌年3月頃の実用化を目標に掲げ、規制された円建てステーブルコインを国内の決済エコシステムに組み込む計画だ。
背景には、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)など外貨建てステーブルコインの世界的な普及がある。
その発行残高は約45兆円規模に達しており、対応が遅れれば外国の決済網への依存が高まり、日本の通貨主権が脅かされるリスクがあると警告している。
AIエージェント時代を見据えた国際連携
今回の提案では、AIエージェントが自律的に決済や商取引を行う時代を想定している。
この分野では、AI(人工知能)の進化が金融システムに革命をもたらすと期待されている。ソフトウェアで容易に扱え、少額かつ高頻度の取引に対応できるプログラム可能なデジタルマネーが必要だ。
同時に、量子コンピューティングが暗号技術に与えるリスクへの対策も求めている。
国内の改革にとどまらず、アジア諸国との連携を深めるための政策対話枠組みも提案している。
円建てステーブルコインを用いた国境を越えた決済を拡大する「グローバルステーブルコイン回廊」の構想も盛り込まれた。
日本の暗号資産(仮想通貨)市場における国際的な存在感を高める狙いがある。特に、ビットコインなどの主要な暗号資産を活用した新たな金融サービスの創出が急務となっている。
金融庁に対しては、オンチェーン金融に関する5カ年ロードマップの策定を求めている。官民が連携してインフラ整備を加速させ、取引所での即時決済の実現などを目指す。
自民党は、AIとブロックチェーンを基盤とする決済層が今後の日本経済の戦略的中心になると強調している。
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