Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。
東証上場のメタプラネットは28日、取締役会でビットコイン(BTC)を担保とする融資枠の設定および大規模な自社株買いの実施を決議した。同社は自らをビットコイン準備会社と位置付けている。
自己株式の取得枠設定およびクレジット・ファシリティ契約締結に関するお知らせ pic.twitter.com/1YeCPyjp16
— Metaplanet Inc. (@Metaplanet_JP) October 28, 2025
同社は2025年10月29日から2026年10月28日までの1年間で、最大1億5000万株(発行済株式総数の13.13%に相当)を上限750億円で取得する計画だ。自社株買いは、東京証券取引所における裁量取引契約を通じて実行される。
同時に、メタプラネットは保有するビットコインを担保に、最大5億ドル(約764億円)を借入可能な融資枠契約を締結したことも明らかにした。
同社の公式発表によると、必要に応じて、ビットコイン担保の借入をいつでも裁量で実行できるという。日本の株式公開企業が仮想通貨を企業金融の担保として活用する事例は、先進的な取り組みとなる。
メタプラネットは企業準備金としてビットコインの組織的な蓄積を進めており、これまでの購入により1万5555 BTCを保有していると報告されている。
今回の企業行動の主な目的は、メタプラネットの株価と、同社が保有するビットコインの市場価値との間に生じた評価ギャップの是正にある。
同社は「株価が保有ビットコインの価値を下回る状況が生じたため、ビットコインを担保に資金を調達し、株価を押し上げて投資家の信頼を回復する」と説明している。
新たに策定された資本配分方針では、1) 永久優先株を活用し1株当たりビットコイン利回りを最大化する、2) 企業価値がビットコイン純資産価値を下回る場合は株式発行による資金調達を控える、3) 適切な自社株買いを実施するという3つの原則が定められた。
取締役会の決議は、メタプラネットの株価が、その資産保有価値よりも低く評価されている状況に対応するための措置である。
自社株買いの資金源は、ビットコイン担保の融資枠だけでなく、手元現金、優先株発行による資金、ビットコイン収益事業から得られる収益など、複数のチャネルを活用する予定だ。
この発表を受け、市場は即座に好反応を示した。28日の午後の取引でメタプラネットの株価は上昇幅を拡大し、投資家がこの戦略的な動きを評価した形となった。
この革新的なアプローチは、日本の金融市場で大きな議論を呼んでいる。
一部のアナリストは、デジタル資産を伝統的な企業財務構造に統合する方法を示すことで、日本の金融を変える可能性を秘めていると指摘する。
今回の動きは、株主還元と効率的な資本活用を両立させながら、大量のビットコインを保有する上場企業としての独自の立場を活用した、洗練された資本配分戦略と言える。
こうした潮流は、日本企業がデジタル資産を財務戦略に取り込む動きを後押しする可能性があり、ビットコイン関連銘柄の新たな局面を示唆している。
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Coinspeakerの専任暗号資産ライター。2020年から仮想通貨投資を始め、ビットコイン、NFT、DeFiへの投資経験がある。2025年6月にCoinspeakerに加わる。