NFTプロジェクトMoonbirdsがソラナブロックチェーンでエコシステムトークンBIRBを発行する戦略を発表。マルチチェーン展開で活性化を狙う。
Moonbirdsは2日、エコシステムトークン「BIRB」をソラナブロックチェーン上で発行すると発表した。
Announcing $birb coming soon(ish) on @solana pic.twitter.com/nb2shnRVoS
— Moonbirds (@moonbirds) October 2, 2025
イーサリアム(ETH)を基盤とする主要NFT(非代替性トークン)プロジェクトが、その活動領域をソラナへ拡大する戦略は、業界内で大きな注目を集めている。
この発表は、シンガポールで開催された暗号資産業界の主要イベント「Token2049」に合わせ、ソラナが主催する特別イベント「Birbhalla」の中で行われた。
Moonbirds 、新体制下が示すマルチチェーン戦略
Moonbirdsは、5月にOrange Cap Gamesによって知的財産が買収され、新たなオーナーシップのもとで再出発を切った。
買収以前はProof CollectiveやYuga Labsの管理下にあったが、プロジェクトの開発停滞が指摘されていた経緯がある。
新オーナーであるOrange Cap Gamesは、BIRBを単なるユーティリティトークンではなく「カルチャーコイン」として位置づけている。
これは、人気NFTプロジェクトであるPudgy PenguinsやAzukiなどが進める、コミュニティ主導の戦略転換と同様の動きだ。
今回、エコシステムトークンの展開先としてソラナが選ばれた背景には、同ブロックチェーンが持つ低い取引手数料と、特に活発なミームコインエコシステムの存在がある。
技術的な優位性に加え、ミームカルチャーという文化的な親和性も、イーサリアムを起源とする同プロジェクトのマルチチェーン化を後押しした形となった。
このソラナへの展開は、既存のNFTプロジェクトが、エンゲージメントと流動性を再活性化するために複数のブロックチェーンを活用する、業界全体のトレンドを象徴している。
NFT市場は即座に反応、長期的なユーティリティの明確化が焦点
BIRBトークンの発行計画は、発表直後に市場に明確な影響をもたらした。
MoonbirdsのNFTコレクションのフロア価格は19.4%急騰し、4イーサリアム(約227万円相当)に達した。
また、OpenSeaやMagic Edenといった主要なNFTプラットフォームにおける24時間取引量も63%増加しており、市場の関心の高まりを裏付けている。
トークンに関する憶測は以前からあり、8月にはX(旧Twitter)上での議論がきっかけとなり、NFT価格が一時3イーサリアムを超える場面も見られた。
しかし、現時点でBIRBトークンのコントラクトアドレスや請求プロセスといった具体的な情報は未公開だ。
Moonbirdsチームは、今後の仮想通貨エアドロップやトークノミクスに関して透明性を重視する姿勢を示しており、コミュニティに対し、非公式な情報への注意を促している。
短期的な価格の上昇は見られたものの、プロジェクトの長期的な成功は、まだ具体的に示されていないBIRBトークンの実用性の明確化と、その設計にかかっていると言える。
ソラナのエコシステム拡大において、BIRBがどのような役割を果たし、Moonbirdsの新たな成長の柱となるか、今後の動向が注視される。
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