NYSE Arcaは、トランプ大統領関連のSNSが支援するビットコインとイーサリアムの混合型現物ETFの上場を、米SECに申請した。
ニューヨーク証券取引所傘下のNYSE Arcaは16日、新たな暗号資産(仮想通貨)ETFの上場・取引を求める規則変更案を米SECに提出した。
このETFはTruth Social Bitcoin and Ethereum ETFと名付けられている。ドナルド・トランプ米大統領が関わるソーシャルメディアTruth Socialが支援している点が特徴だ。
ビットコインとイーサリアムへの分散アクセスを提供
提案されたETFは、投資運用会社Yorkville America Digital, LLCがスポンサーを務める。資産構成はビットコイン(BTC)が75%、イーサリアム(ETH)が25%で、現物を直接保有する仕組みだ。承認されれば、利用者は単一の商品を通じて2大仮想通貨への分散されたエクスポージャーを得られる。
この申請は、米市場においてビットコインとイーサリアムを組み合わせた現物ETFとしては3例目となる。先行して仮想通貨運用会社BitwiseとHashdexが同様のETFを申請しており、市場の関心が高まっている。
米SECが今年初めに複数の現物ビットコインETFを承認したことが、今回の申請の追い風となっている。2つの主要な仮想通貨を組み合わせることで、多様な需要に応える狙いがある。
Truth Socialのブランド力と大手カストディアンの信頼性
このETFは、Truth Socialとの関連性から、特定の支持層や投資家からの関心を集める可能性がある。一方で、その政治的な背景は規制当局による審査に影響を与えることも考えられる。
資産の保管・管理を担うカストディアンやプライム・ブローカーには、大手仮想通貨取引所Crypto.comが指名された。同社の確立されたインフラは、ETFの運用上の信頼性を高める要因となる。
ETFの受益証券は、当初1万口を1ブロックとして現金で作成・償還される。将来的には、規制当局の追加承認を条件に現物での取引に移行する柔軟な構造を持つ。また、イーサリアムのステーキングサービスが含まれる可能性も示唆されている。
このETFは現在、SECによるS-1登録届出書と19b-4申請の承認を待っている段階にある。承認された場合、既存の単一資産ETFとの競争が活発化するとみられる。
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