パクソス、DeFiウォレット企業Fordefiを1億ドル超で買収

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パクソスがDeFiウォレット企業Fordefiを買収した。規制対応インフラと高度技術を統合し、機関投資家向けサービスを強化する狙いがある。

暗号資産(仮想通貨)決済インフラ企業のパクソスは25日、ニューヨークを拠点とする仮想通貨ウォレット企業のFordefiを買収したと明かした。

Fortuneの報道によると、この買収取引の評価額は1億ドルを超えるとされている。パクソスはPayPal USDやGlobal Dollarといったステーブルコインの発行で知られる業界の大手企業だ。

一方のFordefiは、DeFi向けの機関投資家級ウォレット技術を専門としている。

今回の買収により、パクソスは自社の規制されたインフラと、Fordefiの高度なウォレット技術を統合する狙いがある。これにより、従来の金融システムとデジタル資産の世界をつなぐ役割を強化していく方針だ。

機関投資家のDeFi参入を支援

Fordefiの技術は、秘密鍵を複数の断片に分割する、マルチパーティ計算を採用している。この仕組みにより、単一障害点を排除し、業界でも広く採用される高いセキュリティ基準を実現している点が特徴だ。

個人向けの仮想通貨ウォレットおすすめランキングで紹介されるような一般的な製品とは異なり、機関投資家特有の高度な管理機能を提供している。

同社は現在、約300の機関投資家を顧客に持ち、フィグメントやパンテラ、ウィンターミュートといった主要プレーヤーがその技術を利用している。

パクソスのチャールズ・カスカリラCEOは、市場参加者が複雑な保管ニーズを満たす規制されたプラットフォームを求めていると指摘した。

今回の買収は、機関投資家がオンチェーン活動やDeFiエコシステムに参加するための、コンプライアンスに準拠した経路を提供する戦略の一環である。

パクソスは以前からFordefiに出資しており、1000万ドルの資金調達ラウンドに参加していた経緯がある。今回の買収は、既存の関係をさらに発展させ、競争力を高めるための戦略的な動きといえる。

技術統合と事業の拡大

買収後もFordefiは当面の間、独立して運営を続ける予定だ。しかし、長期的にはパクソスのインフラへの技術統合が段階的に進められる。これに伴い、イスラエルにある研究開発拠点の拡大も計画されており、技術開発力の強化が図られる。

Fordefiのジョシュ・シュワルツCEOは、この買収により同社の技術がより広範な顧客に届くことになると述べた。セキュリティとイノベーションへの注力は今後も維持され、パクソスのリソースを活用してさらなる成長を目指す。

パクソスは、ステーブルコインの発行や資産のトークン化、複雑な決済フローの構築において、最高水準のセキュリティを提供することを目指している。

今回の動きは、成熟する市場において、規制に準拠した包括的なサービスへの需要が高まっていることを反映している。

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