PayPalステーブルコインPYUSD、300兆ドルが鋳造後即時バーン

10時間 ago by · 1 min read

Paxosが、300兆ドル相当のPayPal USDを鋳造し、20分以内に全額をバーンした。市場への影響はなかったが、その管理体制に疑問の声。

PayPalのステーブルコインPYUSDを発行するPaxos Trust Companyは15日、300兆ドル相当のPYUSDを鋳造し、その直後に全額をバーン(焼却)したことが、オンチェーンデータで明らかになった。

PYUSDは、Paxosが発行する米ドルに1対1で連動するステーブルコインだ。同社の公式文書によれば、その価値は米ドル預金、米国債、および現金同等物によって裏付けられている。

また、ニューヨーク州金融サービス局の厳格な監督下にあり、独立した第三者会計事務所による月次の準備金証明が公開されている。

異例の取引、市場への影響は限定的

今回の異例の取引は、イーサリアム(ETH)のブロックチェーン上で行われた。

複数の暗号資産(仮想通貨)メディアが報じた検証済みのデータによると、鋳造されたトークンは20分以内にアクセス不可能なアドレスに送付され、流通から恒久的に除去された。

今回の取引規模は世界の総マネーサプライの約4倍に相当するが、鋳造されたトークンが市場に流通することはなかった。

そのため、PYUSDの米ドルとのペッグや市場の安定性に影響は出ていない。

目的は不明、憶測呼ぶ中央集権的管理

PaxosとPayPalは本件に関して公式声明を出しておらず、取引の目的は不明のままだ。

業界アナリストは、Paxosの鋳造・バーン機能に関する内部システムのテストや、機関投資家向けの技術デモンストレーション、あるいはイーサリアムネットワークの処理能力を試すストレステストなどの可能性を指摘している。

2025年9月のPaxosの準備金報告書によると、PYUSDの通常の流通供給量は約5億ドルだ。

この出来事は、単一の事業者が数秒で莫大な価値を創造し、消滅させられる能力を持つことを示しており、ステーブルコインの運用を監視する金融規制当局にとって新たな懸念材料となる可能性がある。

鋳造されたトークンは対応する準備金に裏付けられておらず、経済的価値の創出とは異なる純粋な技術的運用であった点が、今回の事態の特異性を物語っている。

このような中央集権的管理とは対照的に、多くの暗号資産はブロックチェーン技術によって分散的に管理されている。

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