予測市場ポリマーケットが規制当局の承認を得て、米国事業を再開。戦略的買収を経てスポーツイベントなどを対象にサービスを提供する。
予測市場プラットフォーム大手のポリマーケットは28日、規制当局の承認を受け、数年ぶりに米国での事業を間もなく再開すると明らかにした。
今回の復帰は、戦略的な企業買収と、スポーツイベントを対象とした事業展開が柱となる。
規制当局の承認と戦略的買収
2025年9月3日、ポリマーケットは米国商品先物取引委員会(CFTC)から、傘下のデリバティブ取引所QCX LLCおよび清算機関QC Clearing LLCを対象に、スワップ取引データ報告および記録保持規制に関するノーアクションレターを取得した。
これにより、同社は買収したCFTC登録のデリバティブ取引所QCXを通じ、米国で事業を行う法的枠組みを整えた。
ポリマーケットは2025年7月に約1.12億ドルでQCXおよび関連事業を取得。これにより、CFTCの登録・監督下にあるQCXおよびQC Clearing LLCを傘下に収めた。米司法省およびCFTCによるコンプライアンス調査は同年7月に終了したと報じられている。
サービス開始予定日は当初2025年10月7日とされていたが、その後変更。米国におけるアメリカンフットボールやバスケットボールのシーズンが本格化する11月下旬までに、より広範なアクセス展開が見込まれている。
過去の経緯と新たな事業戦略
同社は2022年、未登録で事業を行っていたとしてCFTCから140万ドルの和解金を科され、米国内のユーザーをブロックせざるを得なかった。その後、拠点を海外に移しながらも、世界的なユーザー基盤を維持してきた。
今回の米国復帰では、QCXとQC Clearingの買収を活用し、通常3年を要するとされるCFTCのライセンス取得プロセスを回避している。
プラットフォームでは、スポーツイベントの試合結果や総得点、選挙結果に関する予測契約を提供する予定で、規制に準拠した安全な取引環境としての地位確立を目指す。これは、仮想通貨詐欺のリスクを懸念するユーザーにとっても安心材料になるとみられる。
現在、ポリマーケットの公式サイトでは事前登録を受け付けている。2025年の世界での取引高は8億7700万ドルを超え、米国市場での高い需要がうかがえる。
こうしたプラットフォームは、イベント結果を予測する新たな形の仮想通貨投資を提供することになる。同社の米国復帰は、仮想通貨関連プラットフォームが規制当局と連携しつつ米国市場へ再参入する一つのモデルケースとなりそうだ。
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