NY司法長官ら検察5人が、米ステーブルコイン規制法「Genius Act」に懸念を表明。詐欺被害者保護の不十分さや規制の実効性が焦点に。
米ニューヨーク州司法長官らは2日、米国のステーブルコイン規制法に対し懸念を示す書簡を送付したとCNNが報じた。
同法は昨年成立したばかりで、早くも見直し論が浮上している。
詐欺被害者保護への懸念
報道によると、ニューヨーク州司法長官のレティシア・ジェームズ氏やマンハッタン地区検事のアルビン・ブラッグ氏を含む5人の検察官が、連名で書簡を送付した。
彼らは、昨年7月に制定されたステーブルコイン規制法「Genius Act」について、深刻な懸念を表明している。
検察官らは、同法が詐欺被害者を十分に保護する仕組みを備えていないと批判している。被害者救済の枠組みが欠如している点に、強い懸念を示した。
さらに、この法律が意図せず、詐欺的な企業法的なお墨付を与える形になりかねないとも指摘している。
規制の存在が、かえって不正業者の信頼性を高めることに利用される恐れがあるという。
こうした状況は、巧妙化する仮想通貨詐欺への対応を一層困難にする可能性がある。
Genius Actの概要
批判の対象となっているGenius Actは、2025年7月18日に制定された。米国で初めて、決済用ステーブルコインに関する包括的な規制枠組みを定めた法律である。
同法は、許可を受けた発行者以外によるステーブルコインの発行を違法とし、参入業者に厳格な要件を課している。
具体的には、現金や米国債などの低リスク資産による1対1の準備金維持を義務付けている。
これまで州と連邦の指針が混在し、強制力のある基準が不明確だった。Genius Actは、こうした状況を是正し、統一された国家基準を設けることを目的に導入された。
規制の枠組みと議論
この法律は、発行残高が100億ドル未満の小規模発行者に対し、柔軟な対応を認めている。連邦制度と実質的に同等と認定されれば、州レベルの規制を選択できる二重構造となっている。
また、暗号資産(仮想通貨)保有者を保護するため、発行者が破綻した場合の規定も設けられている。
準備金を破産財団から分離管理し、一般債権者ではなく保有者に返還される仕組みだ。
しかし、今回の検察官らによる批判は、こうした枠組みが金融犯罪の抑止や被害者救済の面で不十分である可能性を示唆している。
今回の書簡を受け、Genius Actをめぐる規制の在り方について、当局や立法関係者の間で議論が続く見通しだ。
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